全日本プロレス27日の両国国技館大会で3冠ヘビー級王者・宮原健斗(27)に挑戦する諏訪魔(39)が13日、大舞台での暴走ファイト解禁を決意した。

 諏訪魔はこの日の千葉大会でゼウス(34)と組み、宮原、秋山準(47)組と対戦。全日本のトップ4がそろう豪華タッグ戦に出陣した。

 ここまでの前哨戦で7連勝中の諏訪魔は、王者だけに狙いを定める。クリーンファイトで試合を優位に進めたが、最後は王者必殺のシャットダウンスープレックスホールドで3カウントを奪われた。タイトル戦決定後、初の直接フォール負けだ。

 敗戦の事実を認めたくないかのように、目が血走った諏訪魔は試合終了を告げるゴングが打ち鳴らされても大暴れ。セコンドの若手勢を蹴りまくると、会場外へ飛び出す。スタッフにまで手を出す始末で、関係者からは「警察呼ばれるぞ!」という怒号が響き渡った。

 数十分後、やや落ち着きを取り戻した諏訪魔は「ベルトに対する敬意があったから、好き勝手やるのはやめようと思ってた。でも別のスイッチが見え隠れしてきた。これが押されたら、両国はどうなるか分からないぞ!」と不気味に言い放った。

 両国決戦では数多くの“前科”がある。2006年8月には極悪軍団「ブードゥー・マーダーズ」の一員として客席にいた森喜朗元首相に威嚇行為を働き、09年3月の世界タッグ戦では客席に傘を投げ込む暴挙に出た。さらには12年7月、新日本プロレスとの40周年記念合同大会でレインメーカーポーズで勝ち名乗りを上げるオカダ・カズチカ(29)を襲撃。昨年11月15日には野獣・藤田和之(46)との試合が不穏試合となっている。それらの暴走行為を再現しかねないというのだ。

「俺はフラストレーションがたまってんだ!」と絶叫した諏訪魔。メーンを任された男の暴発で、両国決戦の行方が混沌としてきた。