全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・宮原健斗(27)が31日、初心に戻って「王道トーナメント」(4日、品川で開幕)制覇を狙う。

 8月27日の名古屋大会では崔領二(36)の挑戦を退けてV5に成功。ベルトを持って決戦へ臨むことになった。同トーナメントで3冠王者が優勝した前例はなく「過去を塗り替えるのがボクだと思ってる。初物が好きなので」と決意を新たにした。

 気持ちも高まっている。くしくも3年前のこの日は、レスラー人生で最大の転機となった日なのだ。宮原は2013年8月31日のダイヤモンドリング後楽園大会を最後に同団体を離脱。全日プロに新天地を求めた。当時の師匠だった佐々木健介(50)の姿を思い起こし「試合の後に目と目で会話をした。『この世界でテッペン取れよ』『一流になれよ』というメッセージととらえた。恩師に『ありがとう』って言うのは簡単だけど、ボクはテッペン取って名前を残したい」と“独り立ち”した時の気持ちに戻ったという。

 しかも3年前の同トーナメントでは、当時の3冠王者だった諏訪魔(39)に1回戦で敗れた。今年は立場を逆にして1回戦(4日)で激突する。「諏訪魔選手がベルトを落とし(負傷により返上)、ボクがベルトを巻いてこのタイミングで当たることに宿命を感じる」といきなりの難敵突破に闘志を燃やす。

 この日の若手主体興行(東京・新木場)では大日本プロレスの野村卓矢(22)に完勝。「まだまだボクは道の途中。チャンピオンとして優勝して、貪欲に自分の道を突き進む」。史上最年少王者が、またひとつ新たな歴史を刻んでみせる。