全日本プロレスの3冠ヘビー級王者ジェイク・リー(32)が〝暴走専務〟諏訪魔(44)に引導を渡す「非情すぎる計画」を画策している。

 シングル最強を決める「王道トーナメント」は29日の東京・後楽園ホール大会で準決勝と優勝決定戦を残すばかりとなった。前回2019年大会からの連覇へ、まず準決勝で芦野祥太郎と激突する。ジェイクは「彼の強さは認めるけど、どう頑張っても俺には勝てないだろ(半笑い)。1、2、3(フォール)でも一本(ギブアップ)でもどっちでもいいけど、余力を持って勝ちたい。それよりその先だ」と言ってのけた。

 優勝決定戦に進めば諏訪魔vs宮原健斗の勝者と対戦するが、希望する相手は「言うまでもなく諏訪魔だ」と断言。6月の大田区大会で対戦が予定されながら諏訪魔のコロナ感染で流れた。それだけに「ここで完膚なきまでに叩きのめして、諏訪魔を専務業に専念させたい」と決意を明かす。

「リング上では前線から引いて、リーダーシップや町おこしのノウハウを裏方として発揮してほしい。それが諏訪魔のためでもあるし、全日本のためでもあるんだ。そして全日本が発展するのは俺のためでもある」

 黒き王者が狙うのがサディスティックすぎる計画だ。「優勝決定戦で諏訪魔を倒したら、その場で諏訪魔を3冠の次期挑戦者に〝逆指名〟してやろうと思ってるよ。なぜ? 大きな舞台で2回続けて叩き潰せば、いくら諏訪魔でも自分の立場が分かってリングのことをあきらめるだろ?」。もうあの頃の好青年ジェイクはいないのだ…。

 決戦に向けて柔術着を着た「人間」を重り代わりに持ち上げるトレーニングを行っているとし「バーベルやケトルベルと違い、人間はバランスがとりづらいだろ? だからいい練習になるんだよ。投げるイメージトレーニングもできるしな」。心身ともに充実の〝最恐王者〟が、このままその地位を揺るぎないものとするのだろうか。