22日の全日本プロレス・後楽園ホール大会で、3冠ヘビー級王者のジェイク・リー(32)が芦野祥太郎(31)を下し初防衛に成功した。

〝黒き3冠王者〟ジェイクはこの日、全身黒ずくめのガウンとマスクをつけて入場。その異様ないでたちでゴング前から会場に緊張感が走った。試合が始まると攻めかかる芦野をいなしつつ、時に「アーッハッハ」と戦慄の高笑いを上げながら前哨戦で痛めつけた左ヒジにさらに攻撃を集中する。リング内での蹴りやアームブリーカーのみならず、場外でも鉄柵を使って締め上げるなどして悲鳴を上げさせた。

 途中、アンクルロックで捕獲されることもあったが、片方の腕を痛めつけたおかげもあって致命傷とはならず脱出に成功し、最後は岩石落としからD4C(変型ドライバー)でマットに突き刺し、悠然と3カウントを奪った。

 試合後は「認めてやる。芦野。お前、強いぞ」と超上から目線で敵をほめてから「俺はチャンピオン・カーニバル、3冠とタイトルを手にした。次は王道トーナメントだ」と8月15日の東京・新宿フェイス大会で開幕するシングルトーナメントに照準。そして「王道トーナメントを取ったら5冠だ。誰もやったことないだろ?」とシングルの〝年間グランドスラム〟をぶち上げた。

 一方3度目の3冠挑戦も敗れた芦野は「今の芦野祥太郎では(ジェイクに)勝てない。それは正直に認めます。何かを変えないといけない」と負けて晴れやかな表情。王道トーナメントでの巻き返しを誓いつつ「今日は完敗です。ただ、心は折れていないんで。俺は人生で心が折れたことは一度もないんで」と巻き返しを誓った。