本当に、やっかいな人に目をつけられた。全日本プロレスの世界タッグ王者・宮原健斗(31)が、王座初防衛もアブドーラ・小林(44)の面倒くささに頭を抱えた。

 宮原は23日の後楽園ホール大会で、パートナーの青柳優馬と共に大日本プロレスの〝マッスル&ファットです〟関本大介、アブドーラ小林組を迎え撃った。試合は王者組が小林を孤立させることに成功したが、その異常なタフさに悩まされることに。顔面をフロントキックで蹴っても、ブラックアウト(ヒザ蹴り)を放っても、額から鮮血を吹き出しながら立ち上がる小林にペースを乱さた。揚げ句、宮原を抱えた関本が「俺ごと投げろ、せんぱーい!」と叫んで小林が投げる眉山まで決められ大ピンチになった。

 それでもブラックアウト連打からの原爆固めで巨体を投げ切り、なんとか3カウントを奪い初防衛に成功。しかし小林のしつこさは試合だけでは済まない。いや、この人の場合、負けた試合の方がしつこいことが多い。

 この日もリングを下りずにマイクを持つと「これで1勝1敗だぞ。今日はフォールとられたけど、俺も1回フォールして1回ノーコンテスト。まだ五分だ。宮原、俺がアイルビーバックする時はお前がターゲットだ! 分かったか、宮原! 宮原健介!」と本紙でも披露していた渾身の名前間違いで爪あとを残されてしまったのだ。

 試合後、バックステージで宮原は「1勝1敗とかやめてくれ! 競ってる感じで絶対に書くなよ! 絶対だぞ。絶対書くなよ? 31歳ラストマッチを迎えた宮原健斗が〝アブドーラ・ザ・小林〟と競ってるみたいに書かれるのだけは絶対にいやだ」と強烈な拒否反応。しかしそこに小林が現れ「宮原健介!」と呼ばれると思わず「なんだ」と反応してしまう一瞬も…。それでも相手にするのが嫌なのか「1勝1敗だぞ」と声をかけられると無視してその場を去った。

 あとは小林の独壇場だ。「ちゃんと文字に残しておけよ。動画も、写真も残せ。世界に配信しろ。1勝1敗で勝負はついてない! 互角だ! 今日は血すら出ていない!」とおでこから血をピューピュー吹き出しながら絶叫。「シャットダウンは大丈夫だと思ったけど、まさか普通のジャーマンがあったとはな。でもまだまだだ! 分かったか健介!」と続けると、最後に関本が「健介じゃないですよ」と優しく訂正した。

 不毛すぎる「アブドーラ・ザVS健介抗争」に続きはあるのか。一応、引き続き注意はしておきたい。