全日本プロレスの3冠ヘビー級選手権(24日、東京・後楽園ホール)で王者の“暴走男”こと諏訪魔(44)と芦野祥太郎(31)が激突する。雪辱がかかる芦野は初の3冠取りに気合十分だ。

 王者からの指名を受ける形で2度目の挑戦が決まった芦野は「純粋に光栄なんですけど、やるからにはベルトを取って空気を変えたい。外の人間が取れば全日本だけじゃなく、プロレス界にとっての刺激になるんじゃないか」と目を光らせる。

 昨年6月の3冠戦はアンクルロックなどの足攻めで追い込んだが及ばなかった。それでも「体格差は身長で約15センチ、体重も約15キロぐらいありますけど、今自分は105キロジャストぐらいで、ヘビー級には慣れてる。巨人を倒すにはテクニックで末端を狙うのが必要だと思うんで、変わらず足攻めですね」と作戦に変更はない。

 諏訪魔とはレスリング出身同士とあり、試合自体が楽しいという。「レスリングだけで見せられる選手って少ないと思うんですよ。今は、いわばキャッチーなプロレスが増えている。アンチテーゼじゃないですけど、プロレスリングなんだから、レスリングが基本なんだよっていうのを今度はお客さんの前で見せつけたい」と腕をぶした。

「174センチの自分が3冠を取ったら(歴代王者で)一番低いんじゃないですか? そういう意味でも歴史が刻めるのでワクワクしてます」。“暴君”の異名を取る挑戦者が“暴走男”を打ち破る。