プロレス界屈指の名タッグがまさかの終焉を迎えた。全日本プロレス2021年開幕戦(2日、東京・後楽園ホール)の世界タッグ選手権で、王者・諏訪魔(44)&石川修司(45)の「暴走大巨人」が、宮原健斗(31)&青柳優馬(25)の「ネクストリーム」に敗れ、王座から陥落した。

 2連覇を目指した暮れの祭典「世界最強タッグ決定リーグ戦」優勝をネクストリームにかっさらわれ「負けたら解散」と、背水の陣で臨んだ暴走大巨人。3日にも3冠戦で青柳の挑戦を受ける王者・諏訪魔は、試合の権利のあるなしにかかわらず突っかかってくる青柳に序盤から怒りを爆発させる。

 だが、拷問ボストンクラブ、石川とのサンドイッチラリアートなどで青柳を虫の息にするも、要所で宮原からフロント・ハイキック、ブラックアウト(ニーリフト)を叩きこまれ、分断されてしまう。

 最後は諏訪魔が青柳を投げっぱなしジャーマンからのラリアートで追い込んだものの、とどめとばかりに放ったバックドロップを切り返されてエンドゲーム(ハンマーロック式フロント・ネックロック)に捕らえられ、レフェリーストップ負けを喫してしまった。

 試合後に石川が「言い訳は何もない。宣言を変えるつもりはないので、暴走大巨人は1回終了って形にしたい」と話すと、諏訪魔も「若い力が台頭してきたのもある。長年やってきたけど解散しますよ」ときっぱり。東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」で、史上初の3年連続最優秀タッグチーム賞を受賞した名タッグがここに終わりを告げた。

 だが、続けて諏訪魔は「俺も石川選手もこのまましょぼくれるわけじゃない」とし、3日の青柳との3冠防衛戦に向け「この借りは必ず返す。3冠はすごいベルトだと分からせる」とリベンジを誓った。