【全日本】諏訪魔 急逝した父に誓う「5冠長期政権」

2020年10月13日 11時30分

諏訪魔は遠くを見つめたまま目を潤ませた

 全日本プロレスの3冠ヘビー級&世界タッグ王者の諏訪魔(43)が天国の父に勝利をささげる。両王座の防衛戦を控える中、9日に最愛の父・諏訪間幸男さん(享年80)が急逝した。プロレス界に導いてくれ、「プロレスラー諏訪魔」を形成した父の“遺言”を果たすため5冠王者の責務を全うする。

 幸男さんは9日午前0時2分、急性心筋梗塞で死去した。諏訪魔は「8日の夜に倒れ、そのまま遠くに逝ってしまいました。でも最後は病院に駆けつけて立ち会うことができた。突然のことだったけど、周りに迷惑をかけることもなく逝ったのが親父らしいかな。喪主も務めさせていただいてしっかり送り出せました。昔かたぎな人で堅い仕事をして俺と正反対の真面目な人だったな」と静かな口調で振り返った。

 天に視線を送ると「気持ちの整理はついてますよ、もう」と笑顔をつくってみせる。大のプロレスファンだった父の存在は大きかった。「その影響で俺も物心つく前からプロレスのテレビ中継を見て、そのまま好きになって今があるから。プロレスラーになった時も全く反対せず、応援してくれたし。3冠を取った時も本当に喜んでくれて、ベルトを巻かせて写真を撮ったんだ」

 幼少期から「一つのものを一生懸命続けなさい。そうすれば必ず道は開ける」と教えられた。この言葉がデビューから16年、全日本マット一筋で戦い続けている理由だと明かす。

 先日のチャンピオン・カーニバルは1勝3敗というふがいない結果に終わり、世界タッグを巻く盟友・石川修司(45)との関係も悪化している。だが諏訪魔は「天国で安心してもらうためにも、しっかりしないといけないな。葬式で全日本のいろんな人からお花をもらったんだけど、そこに石川修司の名前の花もあって考えさせられた。少しわがままになっていたのかな」と語る。

 ゼウス(38)との3冠王座のV3戦(17日、エディオンアリーナ大阪第2競技場)、芦野祥太郎(30)、羆嵐(29)組との世界タッグ王座のV5戦(24日、東京・後楽園ホール)とタイトル戦が続くが「四十九日もあるし、少なくとも今年いっぱいは親父のために5冠を守らねえと」と語気を強めた。

「この間、親父から『レジェンドを目指さないとダメだ』って言われたんだよ。そこまで行くのは大変だけど、目指してみるよ」。世界で一番の“諏訪魔ファン”だった父のためにも長期政権を築く。