全日本プロレスの秋山準(50)が、自身の今後について注目発言だ。ゲストコーチを務めるDDTで手応えをつかむ一方、ホームリングでは戦いの最前線から引いた立場にいると告白した。新型コロナウイルス禍で無期限延期となっている米WWE視察の行方も含め、王道マットの継承者はどこに向かうのか――。

 5月にDDTのゲストコーチに就任した秋山は6、7日の2日間にわたり放送される「WRESTLE PETER PAN 2020」にも参戦。初日に渡瀬瑞基(29)と組み、彰人(33)、飯野雄貴(25)組と対戦する。すでにDDTマットでは多くの若手選手と肌を合わせ、リング上で“教育的指導”を行った。

 このカードもその一環で「正直、もっとDDTの若手ってほわーっとしてると思ったんだよ。でも案外、かちっとしていて。『他団体に負けられない』っていう意識があるやつも結構いてね。若手はうち(全日本)がダントツだと思っていたけど、そうとも言い切れない。面白いですよ」と笑顔を見せた。その言葉通り充実感に満ちており「高木(三四郎)社長から頼まれれば」と、今後も自身の経験と魂を注入していきたいという。

 一方、ホームリングでの立ち位置は対照的だ。昨年7月の社長退任後に務めたGM職を1月に辞してから、団体内での役割も変わった。「全日本は今、新たなスタイルになろうとしているというか。TAJIRI選手が若い子を教えたりして、新しい世界水準になろうとしているから。俺も協力を頼まれればするけど、今は後ろから見守る感じ」と語る。

 団体は福田剛紀社長(54)の下で動画配信などを軸にした新たな興行スタイルの確立を模索している最中。それだけに「全日本は俺の存在感を消したいんじゃないかな? 変わりたい時だからさ、それも分かるよ(笑い)」と冗談めかしながらも、あくまで後方支援に徹する考えを示した。

 また、当初は5月に予定されていたものの、コロナ禍で延期となったままのWWE視察と現地でのゲストコーチ就任については「一応、連絡は来ていますよ。約束を破るのは嫌だから、そこはちゃんと行きます。この状況だから、向こうが『もういいです』ってなったら行かないけど」と語り、徐々に状況が前進しつつあることを認めた。

 ともあれ、コロナ禍の終息が見え始めれば、一気に全ての状況が変わる可能性がある。再び中心として王道マットをけん引することはあるのか、それとも――。秋山の選択から目が離せない。