全日本プロレス5日の世界タッグ王座戦を前に、“暴走男”諏訪魔(43)と“最高男”宮原健斗(31)が激しく火花を散らした。

 2人は3月23日、3冠王座をかけて後楽園ホール大会で激突した。30分を超える激闘の末、諏訪魔が当時王者だった宮原を岩石落としで沈めて勝利。V11と防衛記録を伸ばして一強体制を固めつつあった宮原の勢いを止め、7度目の戴冠で自らの記録を更新した諏訪魔が健在ぶりをアピールした。

 あれから1か月半がたち、今度はタッグ王座をかけ相まみえる。盟友・石川修司(44)との“暴走大巨人”で2度目の防衛を目指し宮原、ヨシタツ組を迎え撃つ諏訪魔は「宮原に息を吹き返すチャンスを与えるつもりはない。それだけは許せない」と完全に勢いを止めるつもり。「俺たちの全盛期を続けていくためにも、もうしばらく宮原には静かにしていてもらうよ。そのためにも絶対勝つぞ、オイ!」と叫んだ。

 一方の宮原は、なぜか体操のおにいさんに挑戦するなど迷走しながらも復活の道を模索中。そんな中、先月30日のアジアタッグ王座戦で新コンビを結成したフランシスコ・アキラ(20)に大いに刺激を受けた。新型コロナウイルス感染拡大で医療崩壊などに苦しむイタリア出身のアキラが「祖国にエールを送りたい」と志願し実現した試合で、敗れはしたものの「アキラのおかげで忘れかけていたもの…ハングリー精神を思い出させてもらいました」という。

「言葉も通じない異国でのし上がろうと、必死に戦う姿に僕も思うところがありました。しかも祖国が大変な状況で、シンプルにすごいと思いますよ。ここでヨシタツとベルトを取って、アキラも一緒に3人で頑張っていきたい」

 異国で踏ん張る若者に刺激を受けた最高男は「相手は3年連続でベストタッグも取ってるチームですから、もう一度上がっていく踏み台にはうってつけでしょう」。最後に笑うのは、果たしてどちらか。