全日本プロレスの最高男・宮原健斗(31)が“体操のおにいさん”挑戦で新境地を開拓!? 本紙で大胆なキャラクター変更を示唆して迷走を心配されたが、案の定、おかしな方向へと走り出していた。一人ならまだしも多くの大人まで巻き込み、前3冠ヘビー級王者はどこに向かおうとしているのか…。

 約1年5か月にわたり、3冠ヘビー級王座を保持。最多連続防衛記録タイのV10を達成したが、3月23日に諏訪魔(43)に敗れて陥落した。それでも昨年に続く春の祭典「チャンピオン・カーニバル」優勝を狙って巻き返しをもくろんだが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で祭典は中止になり、その機会も奪われた。

 そうした中、3日発行本紙で「こうなった以上、自分から動いて現状を打破する方法を見つけるしかない」と、殻を破るべく極悪戦士転向まで視野に入れたキャラ変更を示唆。その後、私案を重ねたどりついたキャラクターが“体操のおにいさん”だった。

「最高の体と最高のしゃべり、最高の子供人気を誇る僕に向いているのは何か考えたら、自然とこの結論に至ったんです」

 その「思いつき」に希代のナルシシストは、ご丁寧にもタンクトップ、バンダナのコスチュームで全身真っ赤となった新スタイルを披露して得意げな表情。後輩レスラーとデモンストレーションまで敢行した。

 厄介なのはこの男の異常な行動力だ。「どうせやるなら徹底的にやる」と、CS放送「GAORA」に売り込みを敢行。なかば押し売りに近い形で「宮原健斗のトレーニング最高ですか!?」なる番組企画を持ち込み、5月5日午後5時30分の初回放送を皮切りに放送枠を確保した。これには上機嫌で「これからはプロレスラーじゃなくて、もう体操に集中してもいいですよね、ヒッヒッヒ…」と目に「¥」を浮かべて笑った。

 最近では自宅でできるトレーニング動画が人気で、2005年に大流行したエクササイズDVD「ビリーズブートキャンプ」が小中学生を中心に再び人気を集めており、二匹目のどじょうを狙っているようだ。ともあれ、撮影も済んで新境地開拓につながると確信したのか、「改めてトレーニングメニューを考えると自分にもフィードバックできるし“体操のおにいさん”になり切ることで、自分の新たな可能性も見つけることができた。この格好でリングに上がることも検討しています」とマッスルポーズをつくった。

 懲りないナルシシズム男は「これだけで終わりじゃない。まだまだ新キャラは探し続けますよ。いずれリングにもつながる仕掛けもやりたい」。コロナ禍でリングでの戦いは先行き不透明。全日本のエースは迷走しつつも話題を提供し続ける。