【全日本】諏訪魔 今こそ青空3冠戦だ

2020年03月24日 16時35分

5冠になった諏訪魔は歓喜の表情

 世相を逆手に取るプランが浮上した。全日本プロレスの3冠ヘビー級選手権(23日、後楽園)は“暴走男”諏訪魔(43)が王者の宮原健斗(31)を破り、自身が持つ最多記録を更新する7度目の戴冠を果たした。新型コロナウイルスの猛威が迫るなか、新王者が最初の公約に掲げたのはプロレスの原点ともいえる「青空3冠戦」の開催だ。

 連続防衛回数を「10」まで伸ばし川田利明(56)の最多記録に並んでいた宮原に、諏訪魔が真っ向から挑んだ。頭突きにブラックアウト(ヒザ蹴り)、エプロンでのパイルドライバーに悶絶しながらも各種スープレックスで投げまくって形勢逆転。最後は強烈なドロップキックから岩石落とし固めで3カウントを奪い、「3冠ベルト、取ったぞ、オイ!」と叫んだ。

 通常とは異なる空気で行われた3冠戦だった。新型コロナウイルス禍の影響で7日の銚子大会から興行を自粛していた全日本は、これが再開一発目の大会だったからだ。「お客さんがみんなマスクをしていて、それは貴重な経験になった」。これで世界タッグと合わせて5冠。名実ともに団体の頂点に返り咲いた暴走男が次に目指すのが、異例ともいえる防衛戦だ。

「コロナで、いろいろ制限が出てきてるじゃん。例えば換気を頻繁にするとか、観客同士の距離を保つとか。だったら、逆に屋外での試合を増やせばいいと思うんだよ。距離も保てるし換気もいらない。こんな時代だからこそ、3冠戦も思い切って屋外でやったら面白いんじゃねえか」

 今は屋内会場で行われることが常識となったプロレス興行も、以前は駐車場や空き地など屋外で行われることも多かった。諏訪魔も毎年秋に、地元神奈川・藤沢の遊行寺境内でプロデュース興行を行っており「あの独特な雰囲気がいいんだよ。ライトに虫が集まってきてさ。今こそ屋外での大会をたくさん復活させようぜ。お寺だけじゃなくて砂浜とかお城とか」とプランを披露した。

 新王者からの提案に対し、フロント陣も柔軟な姿勢を見せた。五十嵐聡副社長(41)は「面白いと思います。検討したい」と前向きだ。プロ野球・横浜DeNAベイスターズの事業本部で企画と演出を担当していたことがあるだけに「私の夢も横浜スタジアムでのプロレス興行開催なんですよ」と語り、コロナ禍の終息後は「ハマスタでの3冠戦」という一層大きな目標を掲げた。新たな任務を果たすべく、暴走5冠男が走り出す。