全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・宮原健斗(30)が青柳優馬(24)を撃退するため“秘密兵器”投入を予告した。

 11日の東京・後楽園ホール大会で青柳を退けてV10を果たせば、川田利明(56)の持つ最多防衛記録に並ぶ。注目が集まる一方で、王者にはやりづらいことこの上ない。挑戦者は自身が率いるユニット「ネクストリーム」の一員で、昨年暮れの「世界最強タッグ決定リーグ戦」にもコンビで出場した。3年半行動をともにし、かわいがってきた後輩だったが、突如反旗を翻して3冠戦で激突することになったからだ。

 手の内全てを知り尽くされており「正直、やりづらさはありますよ。公私ともに一緒に行動することが多かったから、全部先を読まれるんじゃないかって」。下馬評では実績で勝る宮原有利の声が多いが、本人は危機感でいっぱいなのだ。

 そんな中で注目したのが過去の自分だという。「一緒に行動する前の自分を出せばいいんですよ。具体的には彼と組む前に使っていた技とか。今、それをいろいろ見返しているところです。どの技? いや、それは言えませんよ」。過去のフィニッシュホールドで近年封印しているものといえば「スネークリミット(変型三角絞め)」や「ブレイクハート(変型ペディグリー)」あたりが有力か…。

 宮原は「最近たまに、埼玉のとある河川敷を走ってるんです。『昔、ここを泣きながら走ったなあ』なんて思いながら」。健介オフィス所属だった若手時代の練習場所を訪れ、記憶を呼び戻す取り組みも行っているという。過去の己を知り、勝機を見いだす。