全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・宮原健斗(30)が、2020年の目標に東京・両国国技館クラスのビッグマッチ開催を掲げた。東京スポーツ新聞社制定「2019年度プロレス大賞」では3年ぶり2度目の殊勲賞を受賞。新たな自覚が芽生えたことを機に肉体改造にも着手し、老舗団体の底上げを目指す。

 宮原にとって獅子奮迅の活躍を見せた一年だった。3冠王者として1月のV1戦で勝利するや、ここまで8回の防衛に成功。「来年の最低限の目標はそこです」と、川田利明(56)の持つ最多連続防衛記録10回の更新も視界にとらえる。一方で、全日本でビッグマッチがなかったことを挙げ「エースでチャンピオンである僕の責任です。だから来年は僕が大会場に連れて行く。両国国技館クラスに」と誓う。

 意識するのは、ライバル団体の動向だ。新日本プロレス来年1月4、5日の東京ドーム2連戦は別格として、ノアは11月に約7年ぶりの両国国技館大会を開催。W―1は大みそかにエディオンアリーナ大阪第1競技場に進出する。「そこは争ってませんけど、周りが比べるのは分かります。宮原健斗の全日本が(大会場で)やらないのは不自然ですから」

 目標に向けた第一歩が“巨大化”だ。きっかけは11月に出演したスポーツミュージカル。普段プロレスを見ないファンの反応で一番多かったのが「プロレスラーって大きくてかっこいい」というものだったそうで、「僕自身も子供のころ、ハルク・ホーガンのデカさに憧れたのを思い出して。『プロレスの良さを伝えてファン層を広げるならデカくなきゃ』って思ったんです」と語る。

 そのためにもチキンのカレー煮込みやステーキなどを自炊し、現在の102キロから108キロまで増やすことを目標に、1日5食の食事とトレーニングに励む。17日の後楽園大会では黒潮“イケメン”二郎(27)との初タッグで観衆を沸かせ、ジェイク・リー(30)とのV9戦(来年1月3日、後楽園)に向けて闘志全開。来年も王道マットをけん引する。