全日本プロレス24日の東京・後楽園ホール大会で3冠ヘビー級王者・宮原健斗(30)に挑戦するジェイク・リー(30)が22日、原点回帰での王座取りを誓った。バックボーンであるウエートリフティング時代の練習を取り入れることで闘志を再燃させ、2019年の大一番に人生の全てをぶつける。

「王道トーナメント」を初制覇して挑戦権を得たジェイクにとって、団体のエース宮原との3冠戦はこれが初となる。「そろそろ全日本にも変化を起こさないとダメでしょう。自分が時代を変えます」と、はやる気持ちを抑えきれない。

 決戦に向けて取り組んだのが、ウエートリフティング時代のトレーニング法だ。中学1年生から大学4年生までの10年間続け、大学3年時には中国・広州のアジア大会に出場するなど活躍した。「北海道大会で優勝したりして、自分なりに真剣に取り組んできた」。192センチ、110キロの恵まれた体の礎になったとして「今回は人生の節目になると思ったから、あえて調整に取り入れたんです。ここまでちゃんとやったのは本当に久しぶり」と語る。

 当時のように150キロを担いでのスクワットや、200キロのデッドリフトで自分を追い込みながらこれまでの人生を振り返り「今の自分が今までで一番充実しているって痛感したんです。だからこそ人生を宮原選手にぶつけたい」という思いを強くした。その上で岩石落としやサイドバスターなど、得意技の多くでウエートリフティングの経験が生きていることを感じ「力の使い方を確認して破壊力が上がりましたよ。お楽しみに…」と不敵に笑う。

 トレーニング中、都内のジムでは意外な遭遇に刺激も受けた。「大きい外国人がたくさんいて『なんか見たことあるな』って思ったんですけど、ラグビーW杯で来ているどこかの国のチームの選手たちだったみたいで。そういう選手より自分の体の方が、でかかったんです。全日本プロレスって他の選手も大きいから忘れてたけど『そういえば俺、でかいんだな』って思ってちょっと自信になりました」

 この日の東京・新木場1stRING大会では、6人タッグ戦で王者と前哨対決。場外で蹴りを叩き込むなど激しい攻防を繰り広げ、自軍の勝利をアシストした。「ここらで景色を変えてワクワクを提供します」。悲願の初戴冠へ、このまま突き進む。