プロレスの祖・力道山が眠る東京・大田区の池上本門寺で3日、恒例の「節分追儺式(ついなしき)」が行われ、ノアマット上陸が暗礁に乗り上げた全日本の“暴走大巨人”の諏訪魔(42)、石川修司(43)組が、新たな標的をW―1の武藤敬司会長(56)に定めた。

 この日の全日本、ノア、W―1による首脳会談では本格交流について否定的な意見でまとまった。早くも今年の目標を失ってしまった諏訪魔だが、2013年6月に分裂して以来となる武藤との再会を果たすや、さっそく行動を起こした。

「(分裂後)きちんと向き合ったのは初めてなんだけどさ。あいさつをしたら、育ててもらったことから、出て行かれた時のことまで一気に思い出した。なんだかさ、眠っていた感情が一気に噴出したって感じだな。あの人がその後、つくったものが、どんなものなのか興味もあるな」

 今度はW―1マットや武藤がプロデュースする「プロレスリングマスターズ」のリングに興味を示したようだ。もちろん狙いはかつての師匠でもあり、3冠ヘビー級王座をかけて化身のグレート・ムタと戦った武藤との再会マッチ実現だ。「俺は方針転換しないから。どうすればプロレス界が面白くなるかってことだけだよ」としつこく他団体参戦を狙う。

 一方の石川も「プロレス界を面白くしたいのは同じ。一緒に出ていく。諏訪魔さんは全日本でデビューしていろいろな人間関係があって、それを回収していくのもいい。諏訪魔さんを手伝う」と相棒を後押しした。
 昨年、両ヒザの手術をして長期欠場中の武藤は6月26日の長州力引退興行(東京・後楽園ホール)で復帰予定。諏訪魔との対戦について「TPOとギャラ次第だよ」と語るにとどめた。

 団体の方向性とは正反対に、暴走大巨人は信念を貫く。