全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・宮原健斗(29)が、鬼門突破に挑む。4度目の同王座戴冠を果たしたことでシングルプレーヤーとしては確立できたが、実績に乏しいのがタッグ戦線だ。

 ヨシタツ(41)とのコンビで臨んだ暮れの祭典「世界最強タッグ決定リーグ戦」の開幕(13日)は、昨年大会覇者で世界タッグ王者の暴走大巨人(諏訪魔、石川修司組)に完敗。いきなりの黒星スタートとなった。

 さすがにナルシシズム全開のコメントは鳴りを潜め「実は僕、タッグへの苦手意識がすごく強いんです」と弱気な言葉を口にした。今年2月には世界タッグを戴冠するも、1度も防衛できずに陥落。最強タッグでは2015年大会を優勝したが、直後に当時のパートナー、諏訪魔に裏切られ、栄光どころかトラウマになった。

 その理由を「人見知りによる(パートナーとの)意思疎通の甘さが悪影響している」と分析する。ただし昨年の最強タッグから組んで1年になるヨシタツだけは別だ。「珍しく、結構心を開いているんです。7割くらいかな。僕としてはかなり開いてますよ」と手応えをつかんでいる。そのため、コミュニケーションをより高めることは十分可能と踏んでいるのだ。

「ヨシタツの心を10割開くことができれば、ひと皮むけると思うんです。だからサシ飯にさそ…。でもあの人って、食事会でもずっと髪形のチェックをしてたりするんですよ。お互い自分大好きだから、会話が成り立たない不安が…。また言い訳をつくって逃げるのかって? いや、誘います。勇気を持って『今日はお互い自撮りとかやめましょう』って言います!」

 よく分からないが、相棒とのサシ飯に活路を見いだしたようで「飯を食って優勝すれば、僕自身にも深みが出る。その上で世界タッグも巻きたい」と次戦からの巻き返しに自信をのぞかせた。