負傷明けの“暴走大巨人”が苦闘のV3を果たした。全日本プロレスの世界タッグ選手権(21日、神奈川・横浜文化体育館)は王者の諏訪魔(41)、石川修司(43)組が真霜拳號(39)、KAI(35)組の挑戦を退けた。

 諏訪魔は両ヒジの「関節鼠摘出術」、石川は「右肩鎖関節脱臼」のため10月シリーズ前半戦を欠場。両者ともに16日の秋田・横手大会から復帰したばかりだった。挑戦者のKAIも「左目ヘルペス性眼瞼炎」のため13日の埼玉・蓮田大会から19日盛岡大会までを欠場。野戦病院のような痛々しい状況下でゴングが鳴らされた。

 開始直後から石川が右肩、諏訪魔がヒジに集中砲火を浴びて動きを止められる。合体攻撃も返され、劣勢に立たされた。しかし15分過ぎに諏訪魔が決死の表情で豪快なジャーマンをKAIに一撃し、石川がすかさずニーリフトをぶち込む。合体ボムで流れを引き寄せ、最後は諏訪魔がラストライドでKAIを沈めて大逆転勝利を収めた。

 これで暮れの祭典「世界最強タッグ決定リーグ戦」(11月13日、後楽園で開幕)には王者として出陣。「俺たちが全勝してV2しかないでしょ。話題は全部持っていく」(石川)、「最強タッグ前にもドカンと話題提供しないとな、オイッ!」(諏訪魔)と主役奪取を宣言した。昨年度の東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」で最優秀タッグ賞に輝いた名コンビは、一気に2018年のラストスパートに入った。