禁欲で勝つ。全日本プロレスの宮原健斗(29)が、3冠ヘビー級王座奪還に自信をみなぎらせた。「王道トーナメント」初優勝から一夜明けた25日、10月21日の神奈川・横浜文化体育館大会で3冠王者ゼウス(36)への挑戦が決定。決戦に向け、優勝の原動力となった“孤独”な生活を継続させ、戴冠の暁には団体をステップアップさせることを誓った。

 会見場に姿を現した宮原は、終始笑顔だった。真霜拳號(39=K―DOJO)との優勝決定戦を制し、悲願を達成したトーナメントを「皆さんに絶頂になってもらえて、最高の一日でした」と振り返った。

 これで7月に3冠王座を奪われたゼウスへのリベンジ戦が決定。「今の全日本を見ても…いや、プロレス界全体を見ても宮原健斗しかいないでしょう。平成生まれの最高男が、平成最後の3冠王者にならなきゃいけない!」とナルシシズム全開で口にした。

 好調を維持できているのは、メンタル面の充実が大きい。カギとなるのが「孤独でしょうね」と分析すると「王道トーナメント前から、あえて知人や親戚との連絡を控えたんですよ。鏡を見る回数も減らして自分を追い込み、入場で一気に爆発させて勝利につなげたんです」と続けた。

 トーナメント開幕前には、ベルトを失ってから「周囲から人が去ってしまった」と愚痴っていたが、どこまでも前向きな男はその状況を逆手に取ったのだ。すると禁欲生活が、リング上での高パフォーマンスにつながった。当然ゼウス戦に向けても継続する。

「この爆発力をさらに追求したい。友人や知人との連絡もより控えるため、ブロックします。鏡を見るのも一切やめるし、嫌いなトマトもあえて毎食食べますよ。我慢と孤独をどんどんため込んで、一気に文体でクレイジーな宮原健斗を解放する。これが秘策です」

 全てはベルトを奪い返すため。さらに戴冠後の目標もある。「俺には全日本プロレスをさらに上のステージに連れて行かなきゃいけない責任がある。さらに大きい会場を超満員にすること。そして、過去最高の観客動員数を記録することです」と語気を強めた。

 かつての全日プロが定期的にビッグマッチを開催した東京・両国国技館や東京・日本武道館に導くため、まずは自身初の横浜文体メインで最高の結果を残してみせる。