【全日本】3冠V1の宮原支えた「全日をナンバーワンに」の思い

2018年05月25日 16時30分

宮原(下)は必殺のシャットダウンスープレックスホールドで丸藤を葬った

 全日本プロレス24日の後楽園ホール大会で3冠ヘビー級王者の宮原健斗(29)が、春の祭典「チャンピオン・カーニバル」覇者の丸藤正道(38=ノア)を下し、初防衛に成功した。最強の外敵を撃破してベルトを死守した宮原を支えたのは、陽気なキャラクターの底に秘めた反骨心だった。そこには業界トップの新日本プロレス、そして「外敵が支える全日本」との声に対する熱い思いがあった。

 カーニバル優勝決定戦(4月30日、後楽園ホール)以来となる天才との対戦は、大ピンチの連続となった。エプロンでのパイルドライバーでダメージを与えられると、終盤は虎王2連発からの不知火で大ピンチに。しかし最後はポールシフト式エメラルドフロウジョンを防ぐと、後頭部へのブラックアウト(ヒザ蹴り)からシャットダウンスープレックスで逆転の3カウントを奪った。

 最強の外敵から勝利を挙げての初防衛。快挙を支えたのは「全日本プロレスをナンバーワンにする」という思いだった。宮原はその目標を胸に、日本全国で精力的にプロモーション活動を展開している。大会が開催される各地方では必ずテレビ局やラジオ局を訪れた。さらには施設の訪問、イベントへの出演などで地道にファン層の拡大に努めてきた。5月に入ってからは、自宅のベッドで寝たのがわずか5日というハードスケジュールだった。

 それでも「いろんなところで『あの団体』のことを言われることがいまだに多い。面と向かって、そこの選手の名を挙げられたり…」(宮原)という現実を悔しそうに明かした。明言は避けたものの、もちろん業界のトップを独走する新日本プロレスのことにほかならない。

 宮原は「そういうことがあるたびに『まだまだやらなきゃ。勝たなきゃ』って思いました。俺がチャンピオンとして全日本を引っ張ってナンバーワンにする」と意を決するように語った。東京ドームのメインを務め、史上最多のV12を達成した“絶対王者”ことIWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカ(30)と比較すれば、集客力や取り囲む環境に大きな差があるのは事実だ。しかし宮原は本気で立場を逆転させようとしている。

 この日は超満員1680人(主催者発表)を記録。全日プロが勢いを取り戻している要因として丸藤を筆頭とした「外敵の活躍が大きい」との声があることも闘志に火をつけている。宮原は「そういう声は確かに聞こえてます。でも、俺が主役としてしっかりいるからこそ、彼らが光っているんです。丸藤選手にまた負けたら、自分にウソをついたことになるから、負けられなかった」と胸を張った。

 試合後はこれまた“外敵”の世界タッグ王者ディラン・ジェイムス(30)が挑戦表明。6・12後楽園大会でV2戦を行うことを王者の権限で即決した。全日プロを再び業界の頂点へ導くため、宮原は粉骨砕身で前進を続ける。