14日の東京・後楽園ホール大会でW―1チャンピオンシップ王者の芦野祥太郎(28)に挑戦する征矢学(33)が5日、主役奪回を誓った。

 都内某所に現れた征矢は別人のようだった。トレードマークだった長髪は丸刈りになり、ワイルド男の面影はどこにもない。実は2月18日の静岡・清水大会で前哨対決した際に、芦野一派に髪を切られてしまったのだ。国際武道大柔道部時代以来の丸刈りになりながらも「毛は生えてくる。問題ない」と精神的ダメージはないことを強調。

 それよりも「あの時から時計の針が止まったまま。針を進めなきゃいけない」と深刻な表情で明かした。2016年8月11日横浜大会では大会直前に右肩を負傷し、決まっていた同王座戦を欠場する事態になった。復帰後は2度挑戦を実現させたが、ベルトを手にしない限り時間は進まないという。

 くしくも14日の大会は、両ヒザに人工関節を入れる手術を控えた武藤敬司(55)が、現役最後のムーンサルトプレスを出すかどうかに注目が集まっている。征矢は「分からないぞ。手術して調子がよければまた出す可能性がある」と疑惑の目を向けつつ「俺が人工関節になるから安心してほしい」と独特の表現で武藤にエール。最後は「大森(隆男)さんが中西(学)さんと組むみたいだけど、俺と中西さんの風貌が似てるから間違えたのか!?」と頭をさすりながら雨の雑踏に消えた。