新日本プロレスと米ROHの合同興行が23日に東京・後楽園ホールで行われ、飯伏幸太(35)とケニー・オメガ(34)が「ゴールデン☆ラヴァーズ(GL)」として約3年4か月ぶりに共闘を果たした。ついに復活した伝説のタッグチームが見据えるのは、かつて成し遂げられなかった野望への再始動。2人は新日本プロレスのリングを中心にして、活躍の舞台を世界に広げる夢を明かした。

 DDT時代の2014年10月以来の共闘となったこの日、2人は6人タッグ戦でチェーズ・オーエンズとトリオを結成し、Cody組と対戦した。息ぴったりのクロススラッシュ(ケブラーダ同時発射)や合体式ジャーマンを発射し観衆を魅了。新合体技「ゴールデントリガー」は不発に終わり、試合もチェーズが敗れたが、ブランクを全く感じさせない連係で手応えを感じ取った再結成初戦となった。

 リング上だけを見ればケニーとCodyによるバレットクラブ内での覇権争いや他メンバーとの内紛など、解決すべき問題は山積みだ。それでも、かつてインディとメジャーの壁を飛び越えてプロレス界を席巻した名コンビ・GLが復活したことへの期待は大きい。ケニーは「世界で一番のタッグチームになることが夢だった。でも俺自身がベスト・イン・ザ・ワールドになった今、違うものが見えている。試合や技のすごさだけでなく、本当に人を感動させる試合。2人ならそれができる」と口にした。当時の活動期間中にかなえられなかった夢がある。13年ごろからケニーは飯伏に「2人で世界中を回ろう」と呼び掛けた。「あの時は『2人でWWEに行くしかないか?』と思ったくらい。でも今は世界のファンが新日本に注目しているし、ストリーミングサービスも海外での大会もある。新日本から世界を変えられるんだ」と再燃した野望に目を輝かせる。

 一方の飯伏も「いい考えだなと思ったけど、あの時は一人ひとりがレベルアップするのが先だった。GLは世界レベルのタッグチームだし、最終的にはそうなるだろうと思う」と今なら舞台を世界に広げることに賛成の意向だ。「今日が再スタート。やり残したこともやっていくし、新しいことも見つけてやっていく」(飯伏)。2人の視線の先には無限の可能性が広がっている。