武藤が両ヒザに人工関節手術 復帰できても危険な技は医師がストップ

2018年02月20日 16時30分

笑顔を見せた武藤だが胸中は複雑だった

 プロレスリングマスター・武藤敬司(55)が19日に会見を行い、両ヒザに人工関節を入れる手術を3月末に行うことを発表した。あくまで来年以降の復帰を目指したものと強調したが、手術後は代名詞であるムーンサルトプレスの使用が禁じられ、W―1の3月14日後楽園大会が最後の見納めとなる。しかも手術の結果次第では現役続行不可能になる恐れもあり、武藤自身も引退危機に直面していることを認めた。

 武藤は会見で「プロレス生活における一大決心」として3月末に両ヒザに人工関節を入れる手術を行うと発表。古傷の両ヒザの痛みには実に30年近く悩まされており、近年は歩行すらままならないほど日常生活に支障が出ていた。都内の病院で手術を受けた後は約2週間の入院を予定しており、来年以降の復帰を目指す。そのため3月14日のW―1後楽園大会8人タッグ戦を最後に長期欠場に入る。さらに武藤は「必ず帰って試合をするつもりなんですが、一つ(復帰する)条件がある。やったらダメな技に一つあるのが、ムーンサルトプレス。なので3月14日には、俺のプロレス生活最後のムーンサルトを披露したいと思ってます」と、術後は代名詞の使用を医師から禁じられていることも明かした。

 だが“見納め”になるのは月面水爆だけではすまない恐れもある。プロレスではビッグバン・ベイダーらが人工関節を入れて復帰した例もあるが、直接的に激しい接触がある競技だけにその判断は線引きが難しい。武藤も「今まで見てもらっていた他の先生は全員が(プロレス復帰は)ダメと言っていた。小橋(建太)なんかも人工関節で試合はできないって派だった。よかったら棚橋(弘至)にも勧めてあげたいけど、こればかりは俺だけの努力だけでどうしようもない部分もあるし、不安は不安だよ」とつぶやいた。

 武藤は全日本時代の2010年4月、右膝関節内遊離体除去手術を受け、約半年の長期欠場を強いられた。実は13年にも今回と同じ手術を行う予定だったが、実現はしなかった。当時は引退も覚悟していたほどで「(株式を当時のスピードパートナーズ社に)譲って、うまくいったらもう引退しようかなって。結局そのあと分裂したからそうもいかなくなって、できなかったけどな」。

 それだけに今回も“最悪の事態”は想定している。後楽園の8人タッグ戦ではKAI、浜亮太ら武藤が育てた選手も多数集結する。「だからこういうメンバーを集めたわけだから。お葬式みてえだな」と、これが引退試合になる可能性を認めた。

 手術が100%成功すれば目標とする生涯現役も見えてくるが、55歳の年齢を考慮しても手術のリスクは決して小さくない。日本プロレス界の至宝が、最大の危機に立たされた。