【異色のルーキーたち GO TO THE FUTURE】名門・専修大学出身で2008年から全日本選手権3連覇(グレコローマン96キロ級)を達成したレスリングエリートが新日本プロレスに入門したのは昨年1月。競技者としては決して若くない29歳にして人生最大の決心だった。
ジムのトレーナーとして働いていた15年に専修大の先輩・馳浩氏の勧めで格闘技イベント「厳流島」に参戦。プロのリングで戦った経験が、眠っていた夢を再び呼び起こした。10代のころからビル・ゴールドバーグやブロック・レスナーに憧れていた。「プロレスラーはかっこいい。かっこいい男になるために、人生で一度だけチャレンジしてみたかったんです。このまま終わるんじゃなく、人生を変えてみたかった。これがラストチャンスだと思いました」
今年3月に念願のデビュー。最大の武器は異様なまでに筋骨隆々な肉体だ。学生時代から続けるボディービルのトレーニングと、トレーナー時代に学んだ知識のたまものだ。北村は「セールスポイントはエナジー全開なところですかね。31歳で遅咲きかもしれないけど、同世代の人たちにもまだやれるんだっていう生きざまを見てほしいです」と目を輝かせた。
その一方で、入門早々に夕飯の買い出しに行くと誤って自転車で高速道路に侵入してしまったなど「北村天然伝説」は枚挙にいとまがない…。愛すべきマッスルモンスターの未来には、無限の可能性が広がっている。