【大仁田引退試合】強さ健在ド迫力爆闘 “野獣”藤田1年8か月ぶりプロレス復帰

2017年11月01日 16時30分

大仁田(下)をスリーパーで絞め上げる藤田

“野獣”藤田和之(47)が、大仁田厚(60)の引退試合(31日、東京・後楽園ホール)で約1年8か月ぶりにプロレス復帰を果たした。“悪魔仮面”ケンドー・カシン(49)、NOSAWA論外(40)と組んで大仁田、鷹木信悟(34=ドラゴンゲート)、KAI(34)と対戦した藤田は、ブランクを感じさせない存在感を発揮。試合には敗れたものの、圧巻の迫力で「健在」を印象づけた。気になるのは今後だが、盟友で慶応大非常勤講師のカシンは、注目発言で新たな未来を提示した。

 実戦は昨年9月のRIZINさいたま大会、プロレスの試合はIGF昨年2月東京ドームシティホール大会以来、実に1年8か月ぶりとなった。それでも野獣の強さは変わっていなかった。序盤にパイプイス攻撃を頭部に受けるも、全く動じず大仁田を後ずさりさせれば、KAIと鷹木をまとめて蹴散らす暴れっぷりだ。技など出さなくても存在だけで「怖い」と認識させる。本来の野獣の姿がリング上にあった。

 それでも終盤は場外で試合巧者の鷹木につかまり、リングに戻れない時間が続いた。しかも論外が3カウントを奪われる場面を目前で見せつけられた。試合後、大仁田に浴びせられた毒霧で顔を真っ赤に染めた藤田は「負けたから何もない。負けた。久々のリング? いや、負けたから何もない」と鬼のような形相で吐き捨てた。しかし大仁田に対しては「…助かりました」と感謝の言葉を口にした。自分とは対極にあったデスマッチの戦場も、命を懸けて戦うという点では同じだった。

 一方、盟友のカシンは泣きたくなるほど相変わらずだった。当時高校1年生でプロレスファンだったミスターこと永田裕志(49=新日本プロレス)が、最初の引退(1985年)に踏み切った大仁田への思いを投稿&掲載されたプロレス雑誌の表紙を、わざわざ自主制作したTシャツで登場。旗を折って“大仁田信者”を激怒させるなどやりたい放題だった。希代のヘソ曲がり男は「終わった、終わった。炎の稲妻=大仁田選手、7度目の引退、本当におめでとうございます。アマチュアとして復帰することがあれば、リングで会いましょう」と、泣かせるんだか底意地が悪いんだか、よく分からない言葉で大仁田をねぎらった。

 カシンと藤田の元レスリング日本王者コンビが組んだのは実に2年4か月ぶり(IGF15年6月名古屋大会)。今後も継続が期待されるが、カシンは「これから藤田と東の方へ、中国へ、行きます。ハイ」と珍しく具体的な言葉を発した。藤田と2人で旧IGFから派生した中国を主戦場とするプロレス新団体「東方英雄伝」に出撃する意向だ。「名前を変えても中身は今までと一緒じゃないか。大体、奥田啓介がだな(以下略)」。これもどこに矛先が向けられた悪態なのか、よく分からなかった…。

 何はともあれ、プロレス復帰戦で圧倒的な存在感と強靱さを証明した藤田。カシンがセコンドに就く「ROAD FC 044」の総合格闘技復帰戦(11日、中国・河北体育館)勝利へ向けて戦闘モードをシフトチェンジ、闘志を全開させ新たな戦場へ向かう。