10・31後楽園ホール大会で引退する邪道・大仁田厚(60)が29日、最後の電流爆破デスマッチに出場した。

「さよなら大仁田実行委員会」主催試合(愛知・名古屋国際会議場イベントホール)でKAI(34)、ヨシタツ(40)と組み、青柳政司(60)、ミノワマン(41)、NOSAWA論外(40)組と「異種格闘技ランバージャック・電流爆破6人タッグデスマッチ」で激突。空手家に総合格闘家、さらには元WWE戦士と初期FMWマットのようなバラエティーに富んだメンバー構成となった。

 台風22号の接近に伴い風雨が強まる中、試合開始時刻には雨がピタリとやむという強運ぶりを発揮した大仁田だったが、いきなり自軍のヨシタツが論外の爆破バット攻撃を被弾。ここから劣勢を強いられると、ミノワマンの裸絞めにつかまった大仁田まで被弾してしまった。

 さらには2015年5月の交通事故で右ヒザから下に36か所の粉砕骨折を負い、一夜限りの復帰を果たした青柳が爆破レガースを装着すると、大仁田の背中に右足のカカト落としを決め、大爆発を起こした。

 それでも形勢逆転に成功した大仁田は12分すぎ、青柳に毒霧を決めると、机の破片で脳天を打ち抜く。ここから爆破バットを手にすると、青柳の腹部めがけて一閃し勝利を収めた。邪道は「この人がいなければ大仁田厚はいませんでした」と青柳と熱い抱擁を交わした。

 最後の爆破戦を無事に終え、残るはいよいよ31日の引退試合(大仁田、鷹木信悟、KAI組vs藤田和之、ケンドー・カシン、論外組)だけとなった。

 しかも試合後には論外が大仁田のもとを訪れると「ケンドー・カシンから、藤田和之の汗が染み込んだグローブを預かってきた」と赤いオープンフィンガーグローブを手渡したのだ。

 涙を浮かべて野獣・藤田の気持ちを受け取った大仁田は「弱い俺のためにみんなが集まってくれ、藤田和之まで熱くなってくれた。俺は幸せもんじゃ!」と絶叫し、2日後に迫った最終試合に視線を向けた。