MMAファイターの石井慧(30)が27日、復活への手応えを激白した。現在はミルコ・クロコップ(43)に師事し、その祖国クロアチアで練習漬けの日々を送る。すでに約9か月の指導を受け、実戦でもその成果を証明したばかりだ。石井には同じく日本人ヘビー級ファイターとして再起を目指す“野獣”藤田和之(47)からもメッセージが送られた。レジェンド2人から期待をかけられ、燃えまくっている。

「“イシインズ・リフト”とでも言いましょうか。あのカレリンズ・リフト(レスリング技)を自分なりにアレンジした一撃必殺の投げ技も開発しましたよ」。相変わらず適当なことばかり言いながらも、その口調の明るさは練習の充実ぶりをうかがわせた。

 2014年に2度IGF王座をかけて戦い、連敗したミルコから指導を受けるべく、2月にクロアチアへ拠点を移してから約9か月。練習漬けの日々を送る石井は「ずっとミルコに練習を見てもらって、自分の中で自信みたいなものが出てきた。今、目指しているのは自分のスタイルの確立です。寝技やグラウンドコントロールが自分の長所なので、それを生かす戦い方の指導を受けていますよ」と笑顔で話した。

 その具体的内容については「詳しいことは話せない」としたが、成果はオーストリア・リンツでの「ファイナル・ファイティング・チャンピオンシップ」(20日=日本時間21日)で証明された。ヘビー級ワンマッチでビヨン・シンデベルグ(37=ドイツ)と対戦。グラウンドで有利に試合を運ぶと1R、腕がらみで久々に圧勝した。

 これにより自信を確信に変え「海外の大きい試合で結果を残していきたい」と力を込める。そんな石井へ伝えられた藤田からのメッセージとは「ヘビー級が盛り上がれば日本の格闘技が盛り上がる。そのために俺たち2人が頑張ろう。いずれまた対角線上に立つこともあるだろう」というものだ。これを聞いた石井は「うれしいっす。『石井、赤面』って書いておいてください」。藤田とは13年大みそかに対戦して判定勝ち。照れ隠ししながらも「そうですね…。その日のためにも。藤田さんとまた戦うためにも、盛り上げるためにも頑張る。やるしかない!」と大声で闘志をみなぎらせた。

 次戦は未定だが、日本に戻らずミルコとともに練習を繰り返している。野獣と再びリングで対峙する日が来るかどうかは2人の奮闘次第だ。