米WWEに入団した元スターダムの女子プロレスラー、カイリ・セイン(28=宝城カイリ)が16日、米国からの合同インタビューで現在の心境を語った。

 6月30日の日本公演(両国国技館)でWWEと契約を結んだことが発表され、育成ブランド「NXT」の所属になった。「WWE側が決めてくれたけど、カイリというファストネームが残ったことがうれしかった。気に入っています。発表があった瞬間からツイッターの反響が大きかった。こっちに来るまでは距離を感じると思っていたけど、SNSを通じて日本が近く感じます」と話した。

 現在はフロリダ州オーランドにあるWWEの最先端トレーニング施設「パフォーマンスセンター」で練習を積む日々で、食事制限と筋トレで肉体改造に着手しているという。しかも「こっちでは色が白いと不健康ってイメージになるみたいで」という理由で肌も焼いているとか。ほとんどオフがない状態だが、現地で念願のミニクーパーを購入し、ドライブを楽しんでいる。

「生活とか食べ物、人間関係とか自分の中では慣れたつもりだけど、急に寂しくなったり孤独を感じたりしますね。英語でのやり取りが99%なので。苦労するところでもありますけど、楽しくやっています」

 一番の支えになっているのが、日本のファンから送られてくるメッセージと先輩の日本人選手たちの存在だ。中邑真輔(37)、ヒデオ・イタミ(36=KENTA)、アスカ(35=華名)、戸澤陽(32)とは「チームジャパン」として定期的に集まり、食事会を開いているという。

 特に中邑とはプロレス談義に花を咲かせ「テレビカメラへのアピールとか、間の取り方、試合の組み立てとか日本とは違ってくるのでアドバイスをくれます。プロレスが大好きな方。私が質問するとドンドン答えてくれる。考えているし見ているし、いろいろな選手を知って分析している。いい意味でしなやかな方。気さくに接していただいている」と話した。

 また日本ではほとんど面識がなかったNXT女子王者のアスカとは一緒に練習を積んでおり「キャラクターもファイトスタイルも違うので戦うのが楽しみ。どんな試合になるんだろうと今から想像しながら過ごしています。組むこともあると思うので」と心待ちにした。「みんなキャラクターが濃い。戸澤さんも笑わせてくれるし、イタミさんも寡黙な感じだけどシュールで面白い。チームジャパンの一人になれたことを誇りに思います」

 今後に向けては「日本代表として恥ずかしくない選手になることを誓います。必ず日本公演に行けるように頑張ります」と米国での成功を誓った。