新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」で連覇を目指すIWGP・USヘビー級王者のケニー・オメガ(33)が9日、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(29)とのBブロック最終公式戦(12日、両国国技館)へ向け気勢を上げた。両雄は今年2度の対戦でいずれも長期戦を展開。優勝決定戦(13日、両国)進出には30分1本勝負での勝利が絶対条件となるケニーは、オカダ攻略の秘策を示唆するとともに、連覇への決意を明かした。

 真夏の祭典はいよいよ佳境に突入。Bブロックはケニー(勝ち点12)が、オカダ(同13)を1差で追うマッチレースとなった。ケニーは最終公式戦の直接対決で勝利すれば、優勝決定戦進出が決まる。

 両雄は今年だけで2度IWGP戦を戦い、1月4日東京ドームでは46分45秒の激闘の末、オカダに軍配。6月11日大阪城ホールでは60分時間切れ引き分けに終わった。30分以内の勝利が条件というミッションを課せられたケニーだが、突破に自信をのぞかせる。「G1の終盤は全員が万全のコンディションではない。そして俺よりもオカダのほうが悪いように見える。首にテーピングをしているだろ。できるだけそこは狙いたくないけどね。(5日大阪大会で金星を挙げた)EVILが勝てるなら俺も勝てる。少なくとも過去2回のオカダではないはずだ」と腕をぶした。

 オカダの公式戦唯一の敗戦は、レインメーカーにカウンターのEVIL(変型大外刈り)を浴びてのものだった。ケニーは「俺の必殺技(片翼の天使=変型ドライバー)ではあんなふうにうまく入れない。もちろん片翼の天使でフィニッシュさせるつもりだけど、もう一つ何か必要な気がする。それは当日までのお楽しみだ」とニヤリ。“レインメーカー破り”となる秘密兵器の存在を示唆した。

 一方のAブロックではかつての盟友にしてライバル・飯伏幸太(35)の敗退が決まり、熱望していた優勝決定戦での対戦が消滅した。「オカダを倒すことより(飯伏との決勝戦を)大切にしていた。正直モチベーションは少し下がってしまった。うまくいかないこともあるけど、でもそれが人生だ。ここまで来たら連覇したい気持ちが強いし、俺が優勝することこそ、ファンにとって最大のプラスだ。俺がメーンイベントにいないビッグマッチは、新日本のベストではない」と複雑な胸中を明かしつつ、気持ちを切り替えたケニー。世界最高峰のベストバウトマシンが、今年も真夏の両国を熱くする。