新日本プロレス6日の浜松大会「G1クライマックス」Aブロック公式戦で、IWGPインターコンチネンタル王者・棚橋弘至(40)が石井智宏(41)を下して6勝目を挙げた。同ブロックの首位争いは2敗で並ぶ棚橋と内藤哲也(35)の2人に絞られ、最終公式戦(11日、両国)の勝者が優勝決定戦(13日、両国)に進出する。棚橋が天王山に腕をぶす一方で、内藤はこの日の真壁刀義(44)戦の勝利の秘話を明かした。

 デスバレーボムをカウンターの変型デスティーノで切り返し、最後は正調デスティーノで勝負あり。真壁を振り切った内藤は、首位並走の6勝目を挙げた。

 実は内藤にとって真壁は“因縁”の相手だった。2005年の入門当時、内藤は現在より少し短いものの、ヤングライオンにあるまじき長髪だった。入寮初日、道場の門をくぐるとわずか5分で雷を落としたのが真壁。その場で丸刈り指令が下り、先輩にバリカンで頭を刈られた。闘魂三銃士の自伝などで入寮後に丸刈りにしたというエピソードをうのみにしたため、散髪をトランキーロしていた内藤は、あまりの怒られぶりに嫌気すらさしたという。

「最初で最後だよ。新日本辞めようかなって思ったのは。あのとき俺が辞めていたら、結果的に新日本にとって大損害だったわけだし、真壁は俺に感謝してほしいくらいだよ」

 ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンで大ブレークを果たした昨年度東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞MVP男が2年ぶりの対戦となった真壁に対し、現在の自分の“価値”を突き付けて勝利する結果となったわけだ。

 最終公式戦では棚橋と優勝決定戦進出をかけて激突する。「彼がここまで残るとは思ってもなかったけどね。大阪城のリベンジ? そう見るお客様もいるんだろうけど、俺にはそんな感じはないね。あれはまぐれだから」と強気に言い放った制御不能男が、真夏の祭典制覇へ王手をかける。