【新日G1】内藤 黒歴史を塗り替え光りの王者へ

2017年07月19日 11時00分

飯伏を撃破した内藤

 新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」が17日に北海道・北海きたえーる(札幌)で開幕。Aブロック公式戦で制御不能のカリスマ・内藤哲也(35)が“ゴールデンスター”飯伏幸太(35)との同世代対決を制し、白星発進を飾った。2013年大会以来4年ぶりの頂点を狙うが、前回の優勝はキャリアにとって勲章ではなくむしろ屈辱…。誰もが認める大ブレークを果たした今だからこそ、忌まわしき記憶を塗り替える。

 ともに昭和57年生まれの同年代ライバル対決は壮絶な死闘になった。飯伏が三角飛びケブラーダで華麗に宙を舞えば、内藤は雪崩式リバースフランケンで反撃し、互いに一歩も譲らない。

 さらに内藤はスワンダイブ式ジャーマン、雪崩式パイルドライバーといった飯伏の破天荒技を連続で浴びたが、現プロレス界の“主役”のプライドで3カウントは許さない。飯伏のハイキックをかわすと、ランニング式デスティーノを一閃。一気に形勢を逆転して、正調デスティーノで大激闘に終止符を打った。

 4年ぶりの頂点に好発進。本人にとっては前回の優勝はキャリアの“黒歴史”に分類される。右ヒザの前十字靱帯断裂による長期欠場から復帰したのは開幕直前の2013年6月。G1初制覇で奇跡の復活を果たしたが、急激にトップ戦線に舞い戻った内藤はファンからの支持を得られなかった。あらゆる会場でブーイングを浴び、翌年の1月4日東京ドーム大会のIWGPヘビー級選手権(VSオカダ・カズチカ)はファン投票の末にセミファイナルに“降格”となった。

「あの時の内藤にとっては理解できなかったですよ。『お前のせいでIWGPが(ドームの)メーンじゃなくなったんだ』というやじもあった。ある意味で俺が歴史をつくったというか…。長いG1の歴史の中でも優勝して株を落としたレスラーなんて俺だけでしょ」

 あれから4年の月日がたち、内藤は「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」のリーダーとして大ブレーク。昨年のプロレス大賞MVPを獲得するまでに飛躍した。現在の持論は「最もお客様が感情移入できるのが最高のプロレスラー」だ。

「どん底からスターダムにのし上がるのは一見感情移入できそうなんですけど、そうじゃなかった。僕は今回の開幕前に飯伏に『今年、何試合やってきたんだ』と言ってきた。だからこそ分かることというか今、僕が飯伏に対して思ってることが、まさに当時お客様が内藤に思ってたことなんじゃないかな」。こうした分析が、同時に今回の飯伏戦で負けられない理由になった。

 ファミレスなど庶民的な場所で不平不満をぶちまけてきた。付き合わされるほうはたまったものではないが、内藤は己の感情を全てさらけ出し、時にはファンの声も代弁することで支持を拡大してきた。4年前に踏み損ねた踏み台は、今ならば栄光のジャンプへとつながる確信がある。

 札幌決戦後のリング上で発生した「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハ・ポン」の大合唱で、その期待度の高さを証明。今度こそ真夏の祭典の“真の覇者”となる。