創業者のアントニオ猪木氏(74=参議院議員)と泥沼の“お家騒動”になっているIGFが7日、東京・後楽園ホール大会前に会見し、鈴川真一(33)退団の経緯を説明した。さらにエース鈴川ありきだった新ブランド「NEW」については名称やコンセプトの変更も示唆。騒動の沈静化が全く見えない中、IGFのサイモン取締役(43)は今後も猪木氏サイドとの“徹底抗戦”を本紙に明言した。

 会見では宇田川強エグゼクティブディレクター(ED)が「NEWはもともと鈴川選手のために立ち上げたブランドでした」と話した上で、その成長を促すことが主目的の舞台だったという。しかし、その鈴川は6月29日に猪木氏の元を訪れてIGF離脱を表明。これにより「NEW」の存在意義そのものが問われる事態になったが、現在出場選手がいることもあり、イベントの続行は明言した。しかし「NEW」の今後については「方針、名前も含め見直しを検討します」と、現在予定されている8月25日の後楽園ホール大会以降に大きな方針の転換を検討するとした。

 さらに会見では2009年に大麻取締法違反(所持)で逮捕され大相撲を廃業した過去がある鈴川に対し、6月28日に抜き打ちで大麻の尿検査を受けるよう求めたが、拒否されたために7日の後楽園大会の出場ができないと通達していたことも公開した。なお「報道を通じて鈴川が退団の意向を表明したことを知った」(宇田川ED)ともしている。

 IGFと猪木氏サイドの“文書公開合戦”は泥沼化の一途だが、サイモン取締役は「向こうが仕掛けてきてからしか、こちらは攻撃していません」とその正当性を主張。今後の見通しについては「全く分かりません…。猪木さんとも全く連絡は取れないし、次の株主総会も本当に決まってないし」と苦笑いしつつ「リング外のゴタゴタが終了するまでNEWとして頑張っていきたい」と“徹底抗戦”を誓った。

 とはいえ、刻一刻と変わる状況だけに「なってほしくはないが、もちろん最悪の状況は考えています」とも。サイモン氏を含めたIGF背広組にとっての最悪の状況とは「私たちが解雇されて、猪木さんが『NEWなんて知らねーよ』ってなること」だというが、その場合の対応策についてもすでに考慮しているという。

「そうなった場合には新団体設立、という選択肢ですね。みんないろいろ考えています。マイナスなことが起こったら、それ以上の面白い企画をやればいい。もちろん具体的には言えないですが、すでにその企画の青写真もあります」

 ファン不在とも指摘される中、お家騒動は深みにはまる一方。「(実の)父親から久々に電話がかかってきて『お前、大丈夫か』って心配されました」というサイモン氏はどのような秘策を練っているのか――。