米WWEのクルーザー級部門で存在感を高めているのが元ドラゴンゲートの戸澤陽(31)だ。ロウの次回PPV「グレート・ボールズ・オブ・ファイア」(9日、テキサス州ダラス)ではクルーザー級王者ネヴィル(30)に挑戦。スマックダウン(SD)の中邑真輔(37)に続く大一番出場となったが、決戦前に何を思うのか? 直撃した。
――WWEデビューから約8か月。看板番組のロウにも登場を果たした
戸澤 やっと環境に慣れました。初めは毎日テンパってたけれど、周りとようやくコミュニケーションが取れて楽しいと思えるようになった。
――苦労は多かった
戸澤 生活では全くなかったが、僕は日本でタッチルールでタッグマッチをやったことがなく(※)、試合運びとかで苦労した。ドラゴンゲートで12年、ルチャのスタイルでやってきて、タッチロープ握って…というのが理解できなかった。それで1回、中邑さんに相談したんです。
――中邑選手は何と
戸澤 「オレは新日本と変わらないから、大丈夫だけど。そのうち慣れるよ~」と(笑い)。
――「205」(クルーザー級の中継番組)はSDの会場で収録が行われている
戸澤 中邑さんとは毎週会ってますね。中邑さんは会場入りが早い。スーツケースの隣にいって日本語でベチャベチャ話しています。プロレスの話じゃなくて、くだらない話。(以前は)相談もよくしてました。
――試合中の「アッ、アッ、アッ」のかけ声も浸透してきた
戸澤 2010年に米国に試合で行ったとき、声を出すとお客さんの反応が違った。それで何か印象づける動きはないかと。最近はファンの人もやってくれるようになった。反応が良くなってきたような気がする。
――ついにPPVでタイトル戦が組まれた
戸澤 そうそうたるメンバーの一人になったわけですが…。やっぱり何百万人が見るので、何か残したいし、もちろんベルトを取りたい。ネヴィルにはシングルで勝ったことがないけれど、ベルトを取ってWWEの歴史に名を残したい。
――今後の目標
戸澤 僕の入場曲がかかった瞬間、お客さんが沸くように、WWEユニバース(ファン)の人に認めてもらいたい。この間、スーパーで中邑さんのTシャツを着た人とすれ違ったけど、声をかけられなかったんで…(笑い)。もっと、頑張らないと!
※日本や米国のタッグマッチでは、リング内の選手がタッチロープを握ってコーナーに待機する選手に「タッチ」することで試合権が移り、交代となる。ルチャ・リブレのルールでは、試合権を持った選手がリング外に出て、コーナーに控える選手がリングインしただけで交代が成立する。