米WWEの日本公演「WWE Live Tokyo」(30日、東京・両国国技館)で、元スターダムの宝城カイリ(28)改め「カイリ・セイン」の入団が正式に発表された。いよいよ日本人女子レスラーの“仲間”を迎え入れることになったのが、NXT女子王者として無敗の快進撃を続けるアスカ(35=華名)だ。カイリはライバルになる存在なのか、それとも――その胸中を本紙に激白した。

 本紙がその可能性を報じてきた通り、WWEは宝城と契約を結んだと発表。新リングネームは「カイリ・セイン」で、育成ブランド「NXT」の所属になった。さらに世界中から32選手が参加する初の女子トーナメント「メイ・ヤング・クラシック」(今月中旬開幕)に日本代表としての出場が決定。ビデオメッセージで登場したカイリは「かなり厳しい戦いが予想されるので、応援よろしくお願いします」とコメントした。

 この日を心待ちにしていたのがアスカだ。公演前のインタビューで、日本人選手の加入について「歓迎しています。私には引っ張っていかないといけない責任感がある」と語った。もちろんその視線の先にいるのはカイリ。今後、WWE移籍の可能性が高い紫雷イオ(27)も頭に入れているのかもしれない。

 当然、実績があるカイリはライバルになる可能性もある。だが「今のところ脅かされる気持ちにはなっていない。私には今までやってきた自信があるし。それに今やらなければならないことがあるので、応援、助け合う気持ちのほうが強い」とプライドをのぞかせた。

 実のところアスカは、別の次元にライバルがいるのだ。「トップの男子選手を設定している。見劣りしないような試合をしないといけないし、『女子の試合でしょ?』という目で見られるなら私が出る意味はない。それをプレッシャーとして自分に与えている」

 これまでライバルに設定した一人が、スマックダウンで活躍する“アーティスト”中邑真輔(37)だ。常に高みを目指すからこそ、5月20日には2015年10月のデビューからの連勝を「174」に伸ばし、“怪物”ゴールドバーグ(50)が保持した連勝記録「173」を超えた。

 この日の日本公演は6人タッグ戦で大暴れ。アレクサ・ブリスに豪快なヒップアタックを決めると、最後はエマをアスカロック(胴締めスリーパーホールド)で沈めた。 アスカは「日本の女子選手がもっとWWEに挑戦できるように私が活躍し続ける」ときっぱり。日本人女子の頂点を渡すつもりはない。