プロレス団体「IGF」とその創業者であるアントニオ猪木氏(74=参議院議員)による“お家騒動”が、泥沼化の一途をたどっている。

 かねてIGFの“整理”を公言してきた猪木氏は20日、自身の公式ツイッターで「今のままのIGFは無くなります。その後の事はプロレスファンの気持ちを汲んで行動します。いずれ正式に発表します。俺は何も隠さない! 極めて不誠実かつ悪質。残念だがそう言う事です。」(原文ママ)と発言。さらに14日に都内でIGFの株主総会が行われていたことを明かし、これに参加しようとした代理人弁護士からの報告資料を公開した。

 公開された資料によれば、株主総会は“IGF取締役3人を解任し、猪木氏を取締役として選任する”ことを主たる目的として開催されたものだったという。しかしIGFサイドが代理人の委任状を「不合理な理由で」認めず「違法行為により明らかに不適切な議事進行が行われました」とした。さらに「自らが解任の対象となっている議案をすべて否決しようとする極めて不誠実かつ悪質なものである」と取締役3人を批判している。

 これを受けてIGFは21日、公式ホームページ上で「猪木氏との間で表面化した問題に対して、ファンの皆様には大変ご心配をおかけして申し訳ございません」と謝罪した上で、猪木氏が公開した報告書に対して「臨時株主総会については、規則に従い行っており、違法行為はありません」と真っ向から反論した。「私たちは泣き寝入りしません。真実や事実を隠しません」とも宣言して、株主総会の通知とこれに同封した取締役の意見書を掲載した。

 文書には金銭問題さえ生々しく記されており、ファン不在の“暴露合戦”の様相まで呈してきた。騒動の着地点が一切見えないなか、イノキイズムの本質はリング上での「戦い」にあるはずだが、果たして…。