元ノアの鉄人・小橋建太(50)が、米WWE挑戦を見据える後輩たちにアドバイスを送った。

 世界のプロレス界で頂点に立つWWEでは現在、中邑真輔(37)、AJスタイルズ(40)ら新日本プロレス出身者がトップ戦線で活躍。さらに小橋の愛弟子である元KENTAのヒデオ・イタミ(36)や戸澤陽(31)、アスカ(35)が参戦しているほか、親交が深かった宝城カイリ(28)も移籍すると見られる。

 5月にはWWE首脳のウィリアム・リーガル(49)が日本の各団体を視察。さらなる日本マット界からの流出は避けられない状況だが、小橋は「決して悪いことではないし、選択肢が増えるという意味でもいいことだと思う。そこに魅力を感じ、自分を試したいと思っているから行くのだろうし」と語った。

 一方でレスラーたちが海外へ目を向ける要因は日本にもあるという。

「日本のプロレスが魅力的にならないといけないよね。WWEのほうが魅力があるから行くんであって。プロである以上、条件が良ければチャレンジしたいと思うのは当然」

 実際、日本マット界では新日本がトップを独走するが、業界全体を見渡すと、かつてほどの規模はない。実は、小橋も現役時代はデビュー当時から海外志向が強かった。全日本プロレスで活躍した1990年代には、WWF(現WWE)からオファーが届いたことがあった。ところが「俺は日本でトップを取る。日本でトップを取れば、世界で負けない」という気持ちからオファーを断ったという。つまり、当時は日本マットのほうが魅力的だったということだ。

「チャレンジしようとする選手は後悔しないように頑張ってほしい。俺は日本を選んだことを全く後悔してないし」

 14日には後楽園ホールで4回目となるプロデュース興行を開催した。それも魅力ある日本マット界に「恩返しをしたい」という思いがあるからこそ。レジェンドの思いは後輩たちに届くのか。