邪道・大仁田厚(59)と女子プロレス界のカリスマ・長与千種(52)の決裂が7日、決定的となった。

 4・8博多大会で極悪軍団ブードゥー・マーダーズ(VM)のTARU(52)、田中将斗(44)組に敗れて爆破王タッグ王座を失った大仁田と長与は、この日の超花火プロレス埼玉・入間大会で彩羽匠(24)を加えたトリオを結成。VMのTARU、菅原拓也、ハートリー・ジャクソン組と「ロシアン電流爆破デスマッチ」で対戦した。

 その名の通り、リング上に設置された4本のバットのうち2本が相手を殴打すると爆破。残る2本は“空砲”のはずだった。だがそこにTARUのワナが仕組まれていた。最初の1本はTARUが大仁田にヒットさせたが、残る3本はすべて不発…。困惑する大仁田組をよそに高笑いのTARUは、リング下に隠していた爆破バットを取り出すと、彩羽を一撃して3カウントを奪った。

 敗戦続きの長与は無言でリングを後に。大仁田は「落ち込んで這い上がって、そうやってみんな生きているんだ!」と言葉を投げかけたが、長与が振り返ることはなかった。残された大仁田は「様子がおかしかった。今日は一度も目を合わせてくれなかった。前だったら試合中、俺を頼ってくることがあったんだけど、今日は彩羽と2人でやっていた。もう俺たちは見ているものが違うのかもしれない。戦うしかないのかな…」と語り、遠くを見つめた。

 2人に亀裂が生じたきっかけは爆破王タッグ王者のTARUから再戦条件として一騎打ちを求められたこと。大仁田は王座奪回のため前向きだったが、その姿勢が長与の心を離れさせてしまったのだ。この日は6・10新潟・糸魚川大会でのタッグ結成が発表されるも、大仁田は「考えたくはないが、そこで嫌な負け方をすればタッグ続行は難しくなるかもしれない」と話すのがやっとだった。

 男女の枠を超えて東京スポーツ新聞社制定2015年度プロレス大賞最優秀タッグ賞も受賞した名コンビは、このまま“離婚”へと突き進むのか。2人の動向から目が離せなくなってきた。