W―1は27日、都内の事務所で会見を行い、新体制への移行を発表した。4月1日付で武藤敬司社長(54)は会長職に就き、新社長には林和広(43=カズ・ハヤシ)が就任する。2013年9月の旗揚げから武藤を中心とした団体として活動してきたが、いよいよ「脱・武藤」へ方向転換することになった。果たして武藤、W―1の今後は――。

 会見冒頭で武藤は「世の中がスピーディーに変わっていく中、プロレス界も同様に変わっている。そんな中、未来に向けて新しい布陣で挑むことになった。俺は会長という役割で林社長をサポートしていく」と話した。

 カズとは15年以上の付き合いで、全日本プロレス、W―1と行動をともにしながら、人材育成や若手指導を任せてきた。まさに武藤の「右腕」的存在で、1年ほど前から“禅譲”を打診していたという。後継者に指名されたカズは「また武藤さんから大きなステップ台を置いてもらった。ボクが43歳で(54歳の)武藤さんの次に年上の人間だし、ここは決断が大事」と社長就任を決意するに至った。

 また副社長には近藤修司(39)、2015年5月から最高経営責任者(CEO)として団体に携わっていたDDT社長の高木三四郎(47)は、相談役として引き続きサポートする。一方で気になるのが、今後は武藤がどこまでW―1マットに関わるのかという点だ。

 武藤は「今まで以上に自己中心的に動く可能性がある。いろいろなところから需要があるし。これは俺しか持っていないパスポートだから、それを一つひとつこなして、新しいものを見つけることができれば」と説明。すでに同様の考えは本紙に打ち明けていた。

 ノア12日の横浜大会では丸藤正道(37)と初の“天才コンビ”を結成。4月にはドラディション、5月はドラゴンゲート、そして6月は米国とほぼ毎月、他団体から参戦オファーが届いているのが現状だ。新体制に移行したW―1でも引き続き参戦を要請する方針だが、今後は他団体マット中心のシフトにチェンジすることになる。W―1から武藤色が消されていくのは確実で、それを見越したようにカズは「新しいW―1を作っていく」と約束。新たなかじ取りとなって、マット界の荒波をこぎ進む決意を明かした。