7か月後に迫った邪道・大仁田厚(59)の引退試合が宙に浮いていることが22日、分かった。還暦を迎える10月25日の誕生日前後で調整していたが、現状では試合会場はおろか、対戦相手も決まっていない。大仁田本人は「本当にカムバックはない」と繰り返し強調するものの、ゴールが見えないまま引退ロードを歩むという異常事態に陥っている。

 大仁田はこの日、超戦闘プロレスFMWの東京・新木場大会に出場。試合前には同団体の高橋英樹代表(57)から、4月の青森大会(同13日=弘前市河西体育センター、同14日=青森市はまなす会館)に全日本プロレスの青木篤志(39)と佐藤光留(36)の参戦が発表され、電流爆破デスマッチ2連戦を行うことが決定した。

 だが、全日側から届いた派遣選手リストには2人のほか「X」の表記があり、大仁田は「Xはチキン諏訪魔だろ!? 出てこなかったら真のチキン。全日本のプライドをかけて諏訪魔が来ることを信じる」と通告。ハッキリしない態度に怒りを隠せなかった。

 実はナーバスになる理由がもう一つあった。肝心の引退試合の詳細が決まっていないからだ。「宙に浮いてるよ…」と邪道も現状を認めた。昨年11月の会見では、10月にFMWの聖地だった川崎球場跡地の「富士通スタジアム川崎」を候補地に引退興行を行うと発表。希望の対戦相手には小川直也(48)と初代タイガーマスク(59)の名前を挙げた。

 だが「川崎は行政の関係で貸してもらえない可能性が大きい。相手? まだ未定」と話す。一方で「プロレスはどこでもできる。会場がなければ、どこかの広場を探す」と都内と神奈川県内の屋外広場も候補地に入れて緊急リサーチを開始したことを明かした。

 2015年11月15日に引退試合を行った天龍源一郎(67)は同年2月に引退を発表し、6月下旬には引退試合の日時と会場を発表した(対戦相手は同9月2日に発表)。還暦まで残り7か月ということを考えると、邪道に残された時間は少ない。「俺の人生はいつもそうだから。ただ、カムバックはない!」とは言うが…。終わりなき“迷宮”に光は見えるのか。