新日本プロレス3日の沖縄大会で頸椎を負傷して緊急搬送された人気レスラー・本間朋晃(40)は「中心性頸髄損傷」と診断されていたことが6日に発表された。選手生命の危機ともいえる大ケガではあるが、三澤威トレーナー(47)は現段階の回復状況に「希望はある」と明言。病院のベッドから復活を宣言した本間には、盟友のレスラーたちから熱いエールが続々と届いた。

 本間は3日沖縄大会の6人タッグ戦で邪道(48)の変型DDTを受けた直後に動けなくなり、病院に緊急搬送された。この日の大田区総合体育館大会前に会見を開いた三澤トレーナーによれば、沖縄県内の病院で検査を受けた結果「中心性頸髄損傷」と診断された。試合直後は神経がまひした状態で体を動かすことができなかったが「現在は下肢のほうは動きが出たり、ヒジを曲げることもできる。今日の午後にも(ICUから)一般病棟に移り、回復を待つ」と、回復の傾向にあることを明かした。現段階で手術の選択肢はなく、自力回復を待つ方針だ。

 現在入院中の本間自身も周囲に「絶対動けるようになって、リングに戻る」と復帰を宣言しているという。「頸髄損傷」は回復に決まったパターンがないため、今後については慎重な判断が必要とされるが、三澤トレーナーは「どの程度の回復にもよるが(復帰に)希望は持てると思います」と前向きな意見を述べた。

 そんな本間の復活をレスラー仲間たちも祈っている。2011年6月に「中心性脊髄損傷」という同様の大ケガを負いながら1年4か月後に奇跡の復活を遂げた中西学(50)は「必ず元気なこけしが帰ってくると信じています」とした上で、自身の経験から貴重な助言を送った。

 中西が最も心配しているのは、誰よりも練習熱心な本間の性格が裏目に出てしまうことだ。沖縄大会当日も、本間が出発する前に朝7時30分に都内道場で練習する姿を目撃している。だからこそ「休むことへの恐怖」も克服しなければならないとアドバイスを送る。

 中西は「俺の場合も(負傷直後の)G1に出たいと思って、リハビリで無理して悪化してしまったので。とにかく焦らんでおいてほしい。(復帰という)モチベーションがなければ、やっていけない気持ちは分かる。病院のベッドで体が動かせないと気が狂いそうになるんですよ。でも休むときはしっかり休んでほしい。スーパーマンやないからね。休養あっての練習なんで」と真剣な表情で語った。

 また本間とのコンビでこの日、IWGPタッグ王座挑戦を予定していた唯一無二の盟友・真壁刀義(44)も「連絡があって『かなり良くなってる。見守っててくれ』ってさ。いつまでも待っててやるから、完璧に治してこいって。元気に戻ってこい。また夢の続きだよ」とエール。復帰後のIWGPタッグ王座再挑戦を約束した。

 選手生命が危ぶまれる大ケガであることは間違いない。それでも本間は、奇跡の復活に向けて一歩ずつ前に進んでいく。