全日本プロレスの斧爆弾・大森隆男(47)が9日、2年7か月前の汚名返上を誓った。大森は15日の博多スターレーン大会で3冠ヘビー級王者の宮原健斗(27)に挑戦する。2度目の戴冠を果たして、5冠王からわずか一夜で転落した“負の歴史”を清算する決意だ。

 負の連鎖が止まらない。3日の後楽園大会では征矢学(32=W―1)とのGET WILDで世界タッグ王座に挑戦するも敗退。さらには8日のW―1後楽園大会で征矢がW―1チャンピオンシップに挑むも、王座奪取はならなかった。

 昨年11月27日の両国大会で再結成してからは、破竹の快進撃で「世界最強タッグ決定リーグ戦」も全勝優勝した2人だが、2017年に入ると急失速。大森は「慢心はないけど、どこかにスキがあったんだろうな…。ただ新年からつまずいたっていう意識はサラサラない」と平常心を貫く。15日に3冠奪取を果たせば、悪い流れを断ち切れると信じているからだ。

 3冠への思いは誰よりも強い。「あの時のことは今でも心に残っている。3冠を一度も防衛できなかったし、5冠までいったのに1日だけだったから…」。2014年6月15日、秋山準(47)との王座決定戦(後楽園)を制して3冠初戴冠。6月28日の札幌大会では秋山とのコンビで世界タッグを奪取して5冠を達成するも、翌29日の札幌大会で諏訪魔(40)に敗れ、3冠王座から陥落した苦い過去があるのだ。

 だからこそ「3冠を取ったら世界タッグに再挑戦する。傷心の征矢学にも勇気を与える」と再び5冠に返り咲くことでその“悪夢”を払拭するという。宮原には昨年3月21日沖縄大会で挑戦し敗退。初防衛を許し、その後の王者の快進撃のキッカケをつくってしまった。自分の手で止める責任もあるというわけだ。

 この日の横浜大会では岩本煌史(26)を斧爆弾で葬ると「誰がやらなきゃいけないんだ!? 俺しかいねえだろ!」と絶叫した大森。再浮上へ向けて一直線だ。