【プロレス大賞】MVP内藤 ベストバウト級の好試合を連発した“新日プロの救世主”

2016年12月14日 19時00分

内藤(右)はマリアッチの音楽を聴きながら、MVP受賞の心境を語った(恵比寿の「エル・リンコン・デ・サム」で)

 今年で43回目を迎えた東京スポーツ新聞社制定「2016年度プロレス大賞」選考委員会が13日、東京・江東区の東京スポーツ新聞社で開かれ、最優秀選手賞(MVP)は新日本プロレスのIWGPインターコンチネンタル王者・内藤哲也(34)が初受賞を果たした。また、年間最高試合賞(ベストバウト)は7月18日に北海道立総合体育センター・北海きたえーるで行われた新日本プロレスG1クライマックス公式戦のオカダ・カズチカ(29=新日本)VS丸藤正道(37=ノア)が選出された。授賞式は来年1月19日に都内のホテルで行われる。

 この日の選考委員会で最優秀選手賞の候補に名前が挙がったのは内藤、オカダ、ケニー・オメガ(33)の3人。なかでも激動の新日本において新たな景色をつくり上げた内藤に対し「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)現象を巻き起こした。会場でもグッズを着用したファンが目立った」「1年前のブーイングを拍手と歓声に変えた」と高い評価が集中した。1回目の投票で21票中18票という圧倒的支持を集め、文句なしのMVPに輝いた。

 年始から激震が走った新日プロの救世主となった。中邑真輔(36)ら主力選手が退団して米WWEへ移籍。内藤は相次ぐピンチをチャンスに変えた。木谷高明オーナー(56)まで標的とした制御不能な発言でファンの心をつかむや、4月の両国大会でオカダを破り、悲願のIWGPヘビー級王座初戴冠を果たす。この試合の入場時が時代の変革を確信した瞬間だった。「見たことがない雰囲気だった。(観客は)新しい時代を求めているんだなと」(内藤)

 6月の大阪大会でベルトを失ったものの、9月の神戸大会でインターコンチネンタル王座を獲得。G1クライマックスを含め、ベストバウト級の好試合を連発した。内藤率いるLIJは常に話題を振りまき続け、大ブレークした。

 2006年のデビューから初めてのプロレス大賞受賞がMVPという一大飛躍。内藤はライバル・オカダの2億円プロジェクトを引き合いに出すと「今年の2月の段階で、俺と某選手の間には2億円の差があったわけですよ。それをひっくり返してMVPになったということは…。最低でも2億円以上、43回の歴史の中で最も価値のあるプロレス大賞MVPなんじゃないの?と思いますね」と言い放った。

 MVPは11年から5年間、オカダと棚橋弘至(40)で独占。業界に新時代を到来させ「風穴程度じゃないでしょ。ダントツで俺だったんでしょ? これからみんな俺を追っかけてくることになるんじゃないですか?」と高らかに宣言した。

 愛する広島カープが25年ぶりのセ・リーグ優勝を果たした年に天下を取り「これもデスティーノ(運命)ですよ。来年の抱負? え、まだ2016年なのにもう聞いちゃいます? その答えはもちろん…トランキーロ、焦んなよ!」と不敵な笑み。

 制御不能な快進撃で、これからもプロレス史を塗り替えていく。

☆ないとう・てつや=1982年6月22日生まれ。東京・足立区出身。2006年5月にデビュー。10年からヘビー級で活躍し、13年G1クライマックスで初優勝した。15年5月のメキシコ遠征を機にLIJを発足。今年4月にオカダを破って初めてIWGPヘビー級王座を獲得。6月に陥落したものの、9月にはIC王者となった。必殺技はデスティーノ。180センチ、102キロ。