全日本プロレス暮れの祭典「世界最強タッグ決定リーグ戦」(3日、仙台で開幕)の全体会見が30日、都内で行われ、諏訪魔(40)、青木篤志(39)の暴走コンビがまさかの“蛮行”に走った。PWF会長を務めるドリー・ファンク・ジュニア(75)の前で、3冠ヘビー級王者の宮原健斗(27)を襲撃したのだ。リーグ戦でも暴走することは確実。引き金になったのは、内にうっ積した憤まんだ。

 出場12チームが出席した会見では、明らかに諏訪魔の様子がおかしかった。意気込みを聞かれると「生意気なクソガキが調子に乗ってる。腹が立ってるので、最強タッグはメチャクチャにしてやろうかなと思う」と話し、宮原に対するイラ立ちを隠さなかった。

 11月27日の両国大会では3冠王座奪取に失敗。宮原時代をストップできなかった怒りは、わずか3日では収まらなかった。しかも諏訪魔は主力の大量離脱に見舞われた昨年大会で宮原と組んで出場。だが優勝を果たした直後に分裂してから抗争が続いており、遺恨は深まるばかりなのだ。

 それでも会見中は何とか感情を抑え、集合写真にも納まったが、問題はその直後だった。突如宮原に襲いかかると、胸ぐらをつかんで大暴れ。すぐに若手らが間に入ったが、歴史と権威あるリーグ戦の会見で起こった暴挙に、ドリー会長もショックを隠せなかった。

 ただ、宮原は応戦することもなく「現実を理解してないですね。時は進んでいるんですけど」と冷ややかな目。結果的に“独り相撲”をとっただけで終わった諏訪魔は「ストレス発散の場にしてやるから!」とブチまけ、会場を後にした。

 一方、パートナーの青木にも不満が充満している。「宮原が『俺が全日本の顔』って言ってたけど、彼が顔だと終わる。自分のことしか考えない王者に顔になってほしくない」と吐き捨てた。さらに舌鋒は秋山準社長(47)にも。最強タッグにはケンドー・カシン(48)と出場するが、アジアタッグ王座(王者は渕正信、大仁田厚組)には井上雅央(46)と組んでの挑戦が決定的だ。

 この矛盾点に青木は「社長がブレると、すべてブレる。しっかりしてほしい」と容赦なくクレームを入れた。「諏訪魔さんも俺も不満がある。会社にも他のことにも」。不満分子と化した2人が危険な存在になってきた。