東京愚連隊興行(28日、東京・後楽園ホール)で行われたIWA世界ヘビー級選手権は、王者のミル・マスカラス(74)がNOSAWA論外(39)の挑戦を退け、防衛に成功した。

 同王座は1975年にマスカラスが初代王者として認定されて以来、41年間も保持してきた代名詞ともいえるベルト。「防衛戦は1000回はいってるだろう…」(論外)と言われ、これまで日本人ではマイティ井上、天龍源一郎、小林邦昭の3人しか挑戦したことがなかった。

 ヘッドシザーズホイップで面白いように挑戦者を投げ飛ばした仮面貴族は5分過ぎにはフライングクロスチョップを成功させ、ファンを大熱狂させた。マスクを狙われる場面もあったが、7分過ぎに2発目のフライングクロス弾を決めると、最後は十八番のダイビングボディーアタックで華麗に決めた。試合後は「大好きな日本に来られてうれしいです。また来ます!」と約束した。

 74歳でのシングル戦出場を決めたのは、8月4日の王道プロレス青森・弘前大会。論外によると「次はシングルだ」と唐突に口にした。論外が恐る恐る「“身分証明書”をかけてくれるなら…」と切り出すと、あっさり「分かった」とベルトをかけてくれたという。「そろそろ身の引き方を準備しているのかもしれない」(論外)。これが最後のシングルマッチになってしまうのか、それとも――。