新日本プロレス「ワールドタッグリーグ」23日の愛知大会Aブロック公式戦で、棚橋弘至(40)、ジュース・ロビンソン(27)組が天山広吉(45)、小島聡(46)組に敗れてまさかの開幕3連敗を喫した。

 連勝発進中の天コジと激突した棚橋は、天山にハイフライフローをかわされるなど、なかなか勝機を見いだせない。小島にはジュースとの合体スリングブレイドを決めながら、逆にカウンターのラリアートを浴びてしまい悶絶。そのままジュースを見殺しにしてしまい、泥沼の3連敗で優勝決定戦(12月10日、宮城)進出に向けて限りなく赤に近い黄信号が点滅した。

 IWGPインターコンチネンタル王者・内藤哲也(34)への挑戦を控える来年1月4日東京ドーム大会にも暗雲が垂れ込める。カード決定時から内藤に押されっぱなしの棚橋は「会見でもイニシアチブを取られてるし、棚橋の上昇気流を作っていかないと期待感が上がらない。『何だよアイツ、ドームだけかよ』と思われるのは本意ではないですからね」と、ドーム決戦のためにもリーグ戦制覇を狙っていた。

 今年大ブレークした内藤とは対照的に、棚橋は大一番でことごとく敗れ、G1前は欠場も経験した。シングル王座は2015年2月から遠ざかっており、いまや新規ファンは、棚橋のガウンが前開きに作られているのは腰にあるベルトの収まりをよくするため、というプチ情報すら知らないかもしれない。

「期待というものは持続しないんです。入れ替わりが早いですから。このリーグ戦を『リメンバー棚橋プロジェクト』にします」と危機感を抱いて臨んだ棚橋には、何より結果が必要のはずだったが…。その計画は光より早く風前のともしびとなってしまった。