爆破王・船木誠勝(47)が15日“爆破2冠王”君臨を宣言した。王者になってから約4か月ぶりの電流爆破マッチ出場となったこの日のゼロワン神戸大会で、爆破王タッグ王者の大仁田厚(59)、長与千種(51)組を撃破。今年になって1度も同王座の防衛戦を行わないまま、全日本プロレスのアジアタッグ王座に挑戦する大仁田を痛烈批判した上で、邪道マットを完全制圧する決意を固めた。

 7月24日の大阪大会で爆破王座を奪取した船木だったが、田中将斗(43)とのV1戦(8月11日、博多)を「左肋軟骨症」によるドクターストップで緊急欠場。王者として初めての爆破戦となったこの日は、かつての怨敵TARU(52)と組んで大仁田、長与のカリスマコンビと対戦した。

 大仁田以上に意識したのが長与だった。実は新日本プロレスの若手時代、当時クラッシュギャルズで熱狂的なブームを巻き起こしていた長与に憧れ、東京体育館と両国国技館の大会を観戦に訪れていたという。「新しいプロレスをやっていた。格闘技の要素にプラス飛んだり跳ねたり…。当時の自分が目指していたスタイルをやっていたのはあの人だけだった」

 そんな相手だからこそ手加減はしなかった。初めてTシャツを着用して爆破マッチのリングに立った船木は、重いローキックと関節技で長与を攻めると、大仁田相手に爆破バットをフルスイング。最後は「電気イス」にセットされて身動きが取れない長与にTARUがバットを一閃し、船木組が勝利を収めた。

 試合後は「あれもいいかな。せっかくここに持ってきてくれたんだし」と爆破王タッグベルトを指さした船木。王者の大仁田、長与組は昨年12月15日のV2戦(名古屋)を最後に防衛戦を行っていない。にもかかわらず、大仁田は27日の全日プロ両国大会でアジアタッグ王座挑戦が決まっている。船木は「1人の“女性”がいながら、もう1人に目がいくのを世間一般的には二股という。いいことではないと思う」と正論を展開した上で続けた。

「(爆破王タッグを)返上してもらって、俺が長与選手と組んでやりましょうか!?(逆に)王者組から指名されれば、拒む理由はない」。いずれのケースでもタッグ王座奪取に動くことを決意したというのだ。

「シングルのベルトを取った俺は何でもありですよ。ここから先は(爆破を)どう自分のものにしていくか」。「Uの申し子」が爆破2冠王へ一直線だ。