女子プロレス・スターダムのタッグリーグ戦「ゴッデス・オブ・スターダム」(11日、東京・新宿フェイス)は大波乱の幕切れになった。“天空の逸女”こと紫雷イオ(26)がまさかの造反劇で優勝決定戦をブチ壊したのだ。

 試合はレッドゴッデスを首位突破したイオ、岩谷麻優(23)の「サンダーロック」がブルーゴッデス代表の美闘陽子(29)、宝城カイリ(28)組と対戦。イオは序盤から右足への攻撃で美闘の蹴りを封じ、負傷を抱える宝城には左太もも付近を執拗に攻め続けた。

 さらにサンダーロックは同時プランチャを成功させ、このまま連覇へ一直線と思われた16分過ぎだった。イオが突如、掌打をパートナーの岩谷に食らわしたのだ。明らかに意図的で、会場はどよめきに包まれる。事態がのみこめない岩谷はそのまま相手軍につかまり、見殺しにされる形で宝城のダイビングエルボーに沈んだ。

 試合後、イオが「出て来い!」と呼び寄せると、黒いマントに仮面をつけた謎の女が登場。「お前は(1年前にスターダムから消えた)はづき(蓮王)…」と言いかけた宝城を制すように、極悪化したイオは「おしゃべりはそこまで。サンダーロックは今日で終わり。私はこのパートナーを育てる。そう、私のパレハ(相棒)。麻優、みじめだな~」と言い捨て、怒号と悲鳴が渦巻く会場を後にした。

 哀れ、見捨てられた岩谷はリング上で号泣。それ以上に、初優勝という事実が薄れる後味の悪い結末に宝城と美闘は「意味が分からない…」と途方に暮れていた。女子プロ界のエースは、どこに向かってしまうのか。