全日本プロレス「王道トーナメント」(4日、東京・品川プリンスホテルステラボールで開幕)の前日会見が3日に都内で行われ、3冠ヘビー級王者・宮原健斗(27)が改めて偉業達成を誓った。

 この日も終始、ポーカーフェースを貫いた若き王者は「3冠チャンピオンとして優勝します。過去にそれを成し遂げた人はいないので、ここに宮原健斗の名を歴史に残したい」とクールに言い放った。過去3大会はいずれも3冠王者が優勝できなかった鬼門の大会で、新たな歴史を作る決意だ。

 だが、1回戦(4日、品川)から難敵が待ち受ける。相手は前王者の諏訪魔(39)だ。右足のアキレス腱完全断裂により諏訪魔が返上した同王座を、ゼウス(34)との「王座決定戦」を制して手にしたのが宮原だった。つまり諏訪魔を倒していないため、前王者からは“暫定王者”呼ばわりされている。だからこそ、ここで結果を残す必要がある。

 宮原は「このカードにお客さんが期待しているのをひしひしと感じている。その期待を上回ること、そこの部分での勝負だと思う」と試合内容も伴った上での完全決着をつける構えだ。

 対する諏訪魔は「相手は若い世代の象徴。若さというものが脅威になる恐れがあるので、若さに合わせない戦いでいきたい」と、この日は暴走することなくいつになく冷静に語った。さらに「3冠ベルトに対して思い入れがある。まず王道トーナメントを優勝して、しっかりと狙いたい」と不気味なほど静かに口にした。

 1回戦で実現する大会屈指の好カードの結果が、優勝戦線の行方を占うことになりそうだ。