亡き父にベルトをささげる。大日本プロレスの“破壊王2世”橋本大地(24)が19日、世界タッグ王座奪取を誓った。

 大地は全日本プロレス20日の兵庫・神戸サンボーホール大会で秋山準(46)と組み、関本大介(35)、岡林裕二(33=ともに大日本)組の世界タッグ王座に挑戦する。6日の新潟大会では関本、岡林組が宮原健斗、ジェイク・リー組を下して防衛を果たした直後、秋山とのコンビで挑戦をアピール。大地を動かしたのは2005年7月に40歳の若さで急逝した父・橋本真也さんへの思いだった。

 大地は「直前に吉江(豊=42)さんから一本取ったことが一番のきっかけ」と話す。同大会では秋山と組んで吉江、ゼウス組と対戦。三角絞めで吉江から初勝利を挙げた。

「吉江さんは親父が家でやっていたバーベキューにいつも来ていた。印象は『優しいおじちゃん』。そんな小さいころから知っている、親父と親しかった人から一本取ることができて、背中を押された」

 パートナーの秋山については「ゼロワンの旗揚げ戦(01年3月2日、両国)で、親父と激しく戦う姿が印象に残っている」と語る。さらには「吉江さんに勝って、そこに秋山さんがいて。これは親父に(挑戦へ)導かれてるなって。偶然じゃない、必然だと確信した」と表情を引き締めた。

 この日は東京・上野公園大会のタッグ戦で、BJW認定ストロングヘビー級王者の神谷英慶(24)と激しくやり合った。「俺は(藤波辰爾の息子)LEONAたちと違って今、親父が隣にいない。親父を知る人と戦って知っていくしかない」。世界タッグ初戴冠を果たし、天に向かって勝利を報告するつもりだ。