新日本プロレス「G1クライマックス」は4日の鹿児島大会でAブロック公式戦が行われ、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(28)が真壁刀義(43)との1敗対決を制して単独首位に躍り出た。独走態勢を築きつつあるレインメーカーは、早期のブロック突破に自信。いまだに“前エース”棚橋弘至(39)を優遇する新日プロに対し、改めて「1強時代」を証明する決意を明かした。

 ともに1敗で迎えた中盤戦の天王山。真壁のジャーマンを浴びながらもドロップキックで反撃に出たオカダは、ツームストーンパイルドライバーを発射。最後はレインメーカーで貫禄の3カウントを奪ってみせた。

 圧巻の5連勝でブロック単独首位に浮上し、王者の強さを誇示したオカダだが、6日の大阪大会に控える石井智宏(40)戦には大いなる不満がある。大会のメーンを棚橋と丸藤正道(36)の公式戦に譲ったことだ。

 くしくも4年前のG1大阪大会メーンも棚橋VS丸藤で、オカダは中邑真輔(現WWE)との初対決が実現しながらセミに甘んじた。「ああ、このカードでもそっちなんだと思った」。当時棚橋が巻いていたIWGPのベルトも、今はオカダの腰にある。にもかかわらず変わらない構図に「また棚橋VS丸藤に負けたな、と。(石井とは)CHAOS対決ですし(上半期の)IWGP戦線にいた者同士ですから。しっかりその戦いを見せたい」と、対抗心をむき出しにした。

 そもそも前年度覇者とはいえ1・4東京ドーム大会でオカダに敗れ、負傷欠場明けの“前エース”が、いまだにIWGP王者を差し置いて優遇される現状はオカダにとって屈辱でしかない。「棚橋さんのほうがメーン多いですし(注・3日現在で今シリーズのメーン回数は棚橋が4、オカダが3)。ドームの結果で新日本も(どちらが上か)気付いたと思ってたんですけど。怒ってますよ」と、12日両国大会での公式戦に向けて腕をぶした。

「最終戦の前に(決勝進出を)決めたい。みんなの夏を僕が早く終わらせてあげます」とうそぶくオカダには、その棚橋戦さえも消化試合にしてしまいそうな勢いがある。プロレスのリーグ戦で王者が独走することほど面白みに欠けることはないが、何度実力を証明しても訪れない「1強時代」を証明するため、オカダには圧倒的な強さでG1を制する必要がある。